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既存のインフルエンサーマーケティングと成功事例から学べることとは

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株式会社INFRECTと株式会社大広による新しいマーケティング提案

インフルエンサーマーケティングは、SNSで情報発信が個人によって自由に行われるようになったことに端を発し、企業がそうした個人を起用するところから出発しています。 企業からすれば、より専門的な知見やこだわりを持つ個人を味方につけ、インフルエンサーのフォロワーに対する情報伝達や情報拡散、ブランディングといった効果を狙い、インフルエンサーマーケティングが広がるようになりました。 しかし、インフルエンサーマーケティングへの興味や関心、取り組みが進むにつれて、企業は、取り組み方への誤解や失敗が、目立つようになりました。特に、短期的な拡散のみに効果を求めていたり、起用するインフルエンサーの人選を間違ってしまうという失敗は、日本国内のみならず、海外でも大きく見られるようになってきました。 そこでインフルエンサー総研では、独自の分析でインフルエンサーと企業をマッチングする株式会社INFRECTと、顧客との対話から新たな価値を見出している株式会社大広による新しいマーケティング手法の開発に着手することになりました。 今回のシリーズでは、インフルエンサー総研が掲げる「コシューマー」(Co-sumer, Collaborative consumer)のコンセプトを核にして、企業・インフルエンサー・生活者がwin-win-winの関係を築ける未来について、特集します。

従来のインフルエンサーマーケティング

インフルエンサーをメディアとして活用する既存のマーケティング

まずは、現在のインフルエンサーマーケティングについて見ていきましょう。 インフルエンサーマーケティングで最も主流となっているのは、企業がインフルエンサーに依頼して、商品情報を拡散することです。この手法は、インフルエンサーとそのSNSアカウントを多くのリーチを獲得する「メディア」と捉え、企業が活用するモデルといえます。 特に新しい製品やブランドが市場の中で認知を獲得していく上で、非常に有効な手法であったと考えることができます。 企業はインフルエンサーに対して、直接コンタクトをとり、ブランドや商品についての情報提供を行います。あるいは「サンプリング」といわれる、商品を実際にインフルエンサーに試してもらうこともよく行われます。 こうした活動を通じて、インフルエンサーはブランドや商品を認知し、実際に試すことで、その商品についての知識や経験を獲得します。その結果を、自分のSNSアカウントで情報発信することで、フォロワーに対して届けることができます。 もちろん、ブランドや製品について正しく、深く知ってもらうことは重要ですが、インフルエンサーマーケティングにおいて、情報発信の強制や、発信内容の限定を行ってしまうことは、あまり推奨されません。 インフルエンサーをよりメディアとして扱っている点が一般の消費者にも見えてしまうと同時に、なによりインフルエンサーの共感が得られないことがあるからです。

インフルエンサーを味方につけたAnker

日本において、インフルエンサーマーケティングによって初期の認知を獲得し、急成長したブランドとして、Ankerをあげることができます。Ankerは米国を主な市場とする中国のモバイルバッテリーブランドで、日本でも7年足らずで売上高100億円を超える主要メーカーとなりました。 新興ブランドは、認知がないだけでなく、家電量販店などの主要なチャネルにおける販売力もありません。そこで、日本に存在している既存のバッファローやエレコムなどのメジャーブランドと同じマーケティングを行っても、なかなか効果を見込むことができなかったでしょう。 また、新興ブランド、特に海外ブランドの日本参入では、予算やスタッフの数など、既存のメジャー企業と同様のマーケティングや販売戦略を実現することもできません。 そこで、インフルエンサーを活用したマーケティングによる認知拡大に取り組みました。 Ankerは「品質が良い」「価格もリーズナブル」というポジションを狙ったブランドでした。販売チャネルをAmazonに絞ったことから、価格がリーズナブルである点は一目瞭然でした。そこで「品質が良い」という評価を獲得するために、インフルエンサーを起用しました。 簡単に言えば、ジャーナリストやガジェット系ブロガーといった、目の肥えたインフルエンサーに製品を試してもらい、その良さを実感してもらうことで、「品質が良い」という評価の獲得に結びつけたのです。 一方、Ankerが気遣っていたのは、インフルエンサーだけでなく一般の顧客からのフィードバックでした。単に良い評価を得るだけでなく、試した人たちからのマイナスのフィードバックに熱心に耳を傾けたのです。そのフィードバックはすぐに中国の本社に送られ、早ければ数週間で製品に反映させるスピーディーな改善を実施し、そのことを再び、インフルエンサーや顧客に伝えたのです。 こうして、Ankerは、品質に関する高いブランド価値を、インフルエンサーとのコミュニケーションを通じて作り出すことに成功し、急成長の原動力としました。