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「もっと早くインフルエンサーと共創していれば」となる前に
問題解決としての、インフルエンサーとの共創
インフルエンサーを集めたイベントを実施する企業が増えている
企業はメディアとしてのインフルエンサー起用の他に、「インフルエンサーイベント」といわれる、インフルエンサーを集めてブランドや製品についての紹介を行い、体験してもらい、フィードバックを得るイベントを開催することがあります。
通常、グループインタビューは、製品発売前に非公開で行われ、実際の顧客の反応を通じて、製品がきちんと顧客の課題を解決しているか?あるいはどのようなキーワードでマーケティングを展開すべきかを、判断する材料を得るために用いられます。
しかし、インフルエンサーイベントは、基本的にはSNSでの情報発信を許可し、ブランドとインフルエンサーの結びつきや、今後登場する製品への期待感を高めるための情報提供の場として行われるのです。
あるいは、これまでメディアを集めた記者発表会のみを行っていたメーカーが、同じ会場にインフルエンサーを集めたり、メディアとは別にインフルエンサー懇談会のような場を設定することもあります。
例えば30年来のキーボードブランドとして定評のあるPFUの「HHKB」(HappyHacking Keyboard)は新製品発表時に、メディア向けの記者発表会を日中行い、同じ会場にインフルエンサーを集め、軽食を出しながら、新製品の体験やトークショーを用意する二段構えのイベントを企画し、定番化しています。
インフルエンサーを味方につけてモバイルバッテリーの中心的ブランドの地位を獲得したAnkerは、新製品発表会にインフルエンサーも呼び、撮影や体験の時間を十分に確保することで、インフルエンサーがフォロワーに対してきちんと情報発信ができる環境を用意しています。
米国の企業でも、AppleやAdobeは、新製品発表会に世界中のインフルエンサーを招き、製品そのものだけでなく、イベントに参加する体験そのものの情報発信をしてもらうことで、ブランドのロイヤリティを高める施策を行っています。
インフルエンサーから得られるフィードバックとは?
長年インフルエンサーをイベントに呼ぶ企業以外にも、インフルエンサーイベントを貴重な意見聴取の場としてとらえている企業はいくつもあります。
あるローカルスーパーは、自社のプライベートブランドを、食に造詣の深いインフルエンサーを招いて試食してもらい、ブランドや商品を知ってもらうと同時に、どのような感想を持つのか?改善点はどこにあるのか?というフィードバックを得ています。
また、新製品をクラウドファンディングのキャンペーンで立ち上げようとしているブランドは、インフルエンサーに予めサンプリングを行い、製品版までの改善点を集めるベータテストを実施することもあります。
インフルエンサーからのフィードバックは、特にコシューマー性(ロイヤル顧客としての視点と、創造性ある視点を併せ持つこと)が高い相手であればあるほど、企業や製品にとって有益なものとなります。
多くの企業が気づくことは「遅かった」ということ
しかし、そうしたコシューマーからの意見を得ることができた企業であればあるほど、こうした感想を抱くものです。
「もっと早く、インフルエンサーから意見を聞いておけば良かった」
多くの企業は、既にコストをかけてできあがった製品やブランド、デザインをインフルエンサーに見せているのですが、コシューマーたるインフルエンサーの意見は、「もっとこうした方が良い」「こうすれば問題点が解決できる」「こうした方が分かりやすい」という具体的な提案が含まれています。
もちろん完成したものを見せているから、そうした具体的な提案や意見がフィードバックとして得られるのですが、企業からすれば、これから売り出す製品に対して、その貴重で有益な意見を反映することができず、次の製品を待たなければならなくなってしまうのです。
製品ができあがる前に、インフルエンサーから意見を得ることができれば、彼らの意見を製品に反映させることができたはず。しかしそれをしなかったために、より良いものに仕上げるのは次の製品以降に持ち越されてしまい、そのことを悔やむことになるのです。
そこで、コシューマーと共創し始める
そこで企業は、予めインフルエンサーを製品開発や企画の段階から起用できないか、模索が始まります。誰がロイヤル顧客なのか。誰が確固たる「あるべき姿」を描いているのか。誰が、クリエイティビティあふれる「提案」をもたらしてくれるのか。
例えばワークマンは、Instagramで、同社の溶接などに用いる不燃性の作業服をキャンプに用いている主婦を発見し、インフルエンサーとして起用、これまでと全く異なるカテゴリや用途に向けた製品の開発をともに行い、「ワークマン女子」なるサブブランド・ショップを立ち上げる、日本におけるインフルエンサーマーケティングの画期的な事例を作り出しました。現在は取締役に起用し、引き続き共創を進めています。
このように、最適なコシューマーを発見することができる企業もありますが、多くの企業は、誰に頼めば良いか分からない、どんな企画をともに作り上げれば良いのか設計しなければならない、といった「コシューマーとの共創」に向けたハードルがいくつも存在しています。
INFRECTと大広の取り組みは、コシューマー化するインフルエンサーと、企業とを、最適な形で結びつけ、共創を行う環境作りを作り上げることができるのです。