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インフルエンサーマーケティングを設計する上で意識すべき5つのポイント

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インフルエンサーマーケティングを活用して2011年のブランド立ち上げを成功させた高級腕時計ブランド「ダニエル・ウェリントン」(Daniel Wellington)。現在Instagramのフォロワーは466万人を超え、200万件を超える写真に #DanielWellington ハッシュタグがつけられています。

ダニエル・ウェリントンのインフルエンサーマーケティング事例は、こちらの記事をご覧下さい。

ダニエル・ウェリントンの成功事例を分析して、インフルエンサーマーケティング成功のために考えるべき5つのポイントをご紹介します。

1. ターゲットと同じ場所に立ち、同じ視点を持つ

これはマーケティング以前、製品開発からして関係している問題ではありますが、そのブランド・製品にとって「誰が顧客なのか」を定義することは非常に大切です。意外なことに、現在世の中にある商品の多くで、この非常にシンプルな問いである「誰が顧客なのか」を明確に意識していないことが多いのです。

特に長年販売を続けている商品の場合、顧客層が多くの世代に広がっているため、「1つのターゲットに絞ることができないのではないか」という反論もあります。しかし顧客の分類は必ずしも年齢や性別といった統計的なものだけではありません。

ダニエル・ウェリントンは「若くてクリエイティブ」というターゲット層を設定しました。「若くて」は年齢を表しますが「クリエイティブ」には必ずしも年齢は関わりません。自社あるいは自社製品の顧客がどんな人なのか、というシンプルな定義から、マーケティングをスタートさせます。

その定義から、彼らはどこ多く存在しているのか、時間を費やしているのか、が決まります。ターゲットがいない場所にいくら石を投げても、反応が返ってこないのは明白だからです。

一般的にインフルエンサーマーケティングに最も適するプラットフォームはInstagramとされています。しかしInstagramだけが正解ではありません

例えば、ギークなガジェット好きはInstagramよりもTwitterやTwitchを好んでいるでしょう。あるいはそもそも写真映えしない消費財の場合、Instagramでユーザーがクリエイティブさを発揮してくれるかどうかは、難しい問題です。

2. ブランドに合うインフルエンサーを選ぶ

ダニエル・ウェリントンの初期のマーケティングの成功は、従来のファッションブランドの常識だったセレブリティの起用から離れたことでした。つまり、必ずしも膨大なフォロワーをかけるセレブリティのみが、SNSでのマーケティングの成功を支えるわけではない、ということです。

人気のあるインフルエンサーは、日本にも数多く存在しています。YouTubeやInstagram、Twitterで膨大なフォロワー数をもち、その発言や発信に影響力がある人々です。

では彼らが万能か?と言われるとそうではありません。ブランドや製品にターゲットがあるように、インフルエンサーにも、抱えているフォロワーと彼らの期待値が存在しているからです。

インフルエンサーマーケティングの失敗事例としてよく挙げられるのが、米国のボルボ(Volvo)によるファッションモデル・ブロガーのクリステル・リム(Christelle Lim)の起用です。

ボルボは、有害物質を含まない、環境にやさしい新しい洗車方法を宣伝するため、クリステル・リムに宣伝を依頼したのです。

ところが、クリステルはライフスタイルや旅行、ファッション、美容のトピックを投稿することで、100万人を超えるフォロワーを集めてきました(現在は153万人)。その彼女が急に洗車について語ることは、フォロワーから違和感があるとして批判されたのです。

そもそもジェットセッターである彼女がエコフレンドリーを語ること自体、誤った発信だったというわけです。

3. エンゲージメント作りに時間とコストをかける

ダニエル・ウェリントンの成功の指標として注目されるのは、同社のコンテンツの95%がユーザー生成コンテンツ(UGC)である点です。つまり、広報活動を依存できるほどのコミュニティを作り上げることがポイントだった、というわけでうs。

ダニエル・ウェリントンのソーシャルメディアチームは、インフルエンサーとの関係を管理し、公式アカウントでインフルエンサーが作ったコンテンツを紹介し、フィードバックに答え、フォロワーとのコミュニケーションを観察しています。

こうした関係性の構築とマネジメントには、社内のチームづくりからして時間がかかり、またそれなりのコストがかかることを忘れてはなりません。多くのインフルエンサーがブランドから報酬を得ていないとしても、インフルエンサーマーケティングが「安い」手法ではないのです。

4. ユーザーが作ったコンテンツを尊重する

インフルエンサーマーケティングとブランディングは、針の穴に糸を通すような、あるいは綱渡りのような感覚を覚える人も少なくないかもしれません。

自社のブランドをコントロールすることは当然ですが、インフルエンサーのクリエイティブまでコントロールすることができないからです。

インフルエンサーのコントロールを試みようとすると、インフルエンサーの普段の言動やクリエイティブとのミスマッチを起こして、2点目で挙げた失敗事例を作り出したり、インフルエンサーがストレスを感じて3点目で指摘したエンゲージメント作りがうまくいかなかったり、ネガティブな結果を生み出してしまいます。

ブランドや製品のマーケティング担当者は、インフルエンサーと良い関係を作って話題を作りたいと考えていますが、インフルエンサーはクリエイティブさを通じて、自分らしさを表現したいと考えています。お互いにギビングな関係が作れるかどうかが求められます。

裏を返すと、インフルエンサーマーケティングでインフルエンサーにクリエイティブを委ねるには、ストーリーや位置付け、提供価値、顧客ターゲットなどの「ブランドの骨格」がしっかり整っていることが重要だ、ということです。

5. 評価軸を作り、目標を見失わない

インフルエンサーマーケティングの成否を短期的に判断しようとするのはやめましょう。取り組むのはコミュニティの形成と、インフルエンサーをはじめとするSNSユーザーとのエンゲージメントづくりだからです。そう考えると、成功するためには思った以上に時間がかかるとお分かりになるのではないでしょうか。

同時に、インフルエンサーマーケティングの成功をどのように判断するのかは、難しい問題です。確かにSNSのフォロワー数やいいねの数、ブランドのハッシュタグがつけられた投稿数という定量的な指標は、エンゲージメントを図る上で重要な指標といえます。

しかしこれらの指標と、実際にSNS経由でどれだけの製品が売れたのか?という最終的な指標を結びつけておく必要があります。一つのキャンペーンで、あるいは一人のインフルエンサーが、どれだけのフォロワーを顧客に変えたのか。これを計測できるようにECサイトやウェブサイトを設計していかなければなりません。

その次はどうするか?

インフルエンサーマーケティングは、これを設計する企業側の視点で、数多くの考えること、準備することが存在しています。他方、インフルエンサー自身が、企業とのコラボレーションをどのように考えているのかについても、レポートしていきます。

参考:
[https://www.instagram.com/danielwellington/] [https://www.instagram.com/explore/tags/danielwellington/] [https://brands.joinstatus.com/brand-influencer] [https://www.instagram.com/chrisellelim/] [https://digitalvalueblogblog.wordpress.com/2017/11/02/learning-from-the-best-why-daniel-wellington-wins-the-influencer-marketing-game/]