インフルエンサーとのコラボレーション方法について、以前の記事でお伝えしましたが、効果的な選定には更に一歩踏み込んだ解析が必要です。
企業がインフルエンサーと直接契約する場合でも、マッチングプラットフォームや代理店を通じて依頼する場合でも、適切なインフルエンサーを選ぶためには「どんな人か」「どんな投稿が人気か」「フォロワーの属性はどうか」といった詳細な情報を分析することが不可欠です。しかし、SNSの専門家やインフルエンサー選びのプロが社内にいないことが多いのが現実です。
そんな時に役立つのが、今回ご紹介するインフルエンサー解析ツールです。このツールを使えば、初心者でも簡単に、そして効率的にインフルエンサーを選ぶことが可能になります。プロが選ぶおすすめのツール3つを徹底解説します。
Contents
キャスティングのプロも利用するインフルエンサー解析ツールとは?
インフルエンサーを紹介するプロとして活動しているのがキャスティング会社です。さまざまな規模、ジャンルのインフルエンサーを知り、どんなブランドや製品のマーケティングにフィットするのかを見極め、企業に紹介しマッチングを図る。
そんなお仕事を日々しているキャスティング会社の方々も活用しているのが、インフルエンサー解析ツールです。
確かにインフルエンサーのプロフィールページを見れば、フォロワー数やいいねの数、直近の投稿は見ることができますが、さらに深い情報を用いて比較検討する場合、こうしたツールが便利です。
では、解析ツールで、どんなことがわかるのでしょうか?
フォロワーの男女比、年齢層
プロフィール画面には、フォロワーの男女比や年齢層は表示されません。しかしSNSは内部的に、フォロワーの統計情報を持っており、SNS上への広告出稿の際のターゲティングなどに活用しています。
インフルエンサー解析ツールを使えば、インフルエンサーが抱えるフォロワーの男女比や年齢層が把握することができます。
顧客層にフォロワーが多いインフルエンサーを起用することで、より効率的なマーケティングを行うことができるようになります。
エンゲージメント率
エンゲージメント率とは、インフルエンサーの投稿にフォロワーがどれだけ反応しているか、という割合のことです。いいね、リポスト、コメント、引用など、インフルエンサーの投稿にどれだけの人が反応したかがわかる指標となります。
この数字が高ければ高いほど、より多くの人が、PRの投稿に対して反応を示す可能性が高いと言えます。
過去のPR投稿
そのユーザーが過去に、どんなPR投稿をしたかを確認することは、インフルエンサーマーケティングにおけるインフルエンサーの選定で重要な要素となります。
もし競合他社のPR投稿を発見した場合、その内容やフォロワーの反応などを見ることで、自社の戦略を立てることにもつながりますし、他社寄りの発言が多いインフルエンサーの起用を避ける、といった配慮を行うこともできるようになります。
キャスティングのプロも使う、インフルエンサー解析ツール厳選3つ
インフルエンサー解析ツールでどんなデータを知ることができるかをご紹介した上で、キャスティング会社の人も使う、インフルエンサー解析ツール3選をご紹介します。
IPR
インフルエンサーマーケティングの企画、制作、またインフルエンサーの所属事務所として活動している株式会社Bitstarが運営する「IPR」。
InstagramやYouTubeといった、特に日本において商品のマーケティングに適している影響力あるSNSの解析を行うことができます。
検索機能は使いやすく、類似のインフルエンサーの提案などの機能があるため、現状分析や実際のインフルエンサー候補の検索にも活用していくことができます。
nox influencer
インフルエンサー活用が盛んな中国・北京に本社を構える企業による解析ツールです。 YouTubeに特化して分析を行うことが可能ですが、日本におけるYouTubeは、インフルエンサーマーケティングにとっての主戦場ともなっており、動画によるマーケティングを検討している場合はぜひ活用したいツールです。
無料でも使える機能が用意されており、まずは試してみても良いのではないでしょうか。
A-Stream
株式会社Aが2022年にリリースした最新のインフルエンサー解析ツールです。デザインが洗練されており、誰にでもみやすい点が便利です。
特にZ世代で大きな影響力を持つSNSプラットフォームとなったTikTokの解析が強みで、避けては通れない顧客層の若年化の施策にとって大きなメリットが得られるツールといえます。
https://acetokyo.com/astream/b/
解析ツールでインフルエンサーを見つけられても、キャスティング会社を使うメリットはある
これらの解析ツールがあり、きちんとマーケティングの計画と目標を立ててあるのであれば、マッチングプラットフォームや事務所、広告代理店を使わず、直接インフルエンサーを発見し契約することも可能です。
ただ、インフルエンサーとのコミュニケーションは難しく、企業からのSNSアカウントへのダイレクトメール(DM)であってもなかなか思うように反応してくれないことも多々あります。
コストは多少かかりますが、インフルエンサーと関係があり、より積極的にコミュニケーションが取れるマッチングプラットフォームや事務所、広告代理店を通じたインフルエンサーとの契約にも、確実性向上や実際のマーケティング開始までの工数削減といったメリットが存在しているのです。
また、そもそもの話、いきなりインフルエンサー解析ツールのコストを出して取り組むには、コスト負担が重たい、と考える方もいるかもしれません。
そうした場合は、キャスティングの相談をしてみることも早道となるでしょう。
インフルエンサー解析ツール、便利!
今回は、代表的なSNSにおけるインフルエンサー解析ツールを3つご紹介しました。他にもさまざまなサービスが存在しており、新しいサービスも次々に生まれています。
ゆくゆくはインフルエンサーの発見から起用までを、自社のマーケティング活動の中に取り入れていくことがおすすめではありますが、慣れてくるまでは、プロに相談してみると良いのではないでしょうか。