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SNSマーケティングとは? 意味と定義について解説

企業がSNSアカウントを持つことは、いわば当たり前となってきました。ウェブサイトを持つように、SNSアカウントで最新情報を顧客に伝えたり、コミュニケーションをしたり、あるいはサポートの窓口になったりと、さまざまな方法が試されています。

マーケティングでも、SNSは重要な手段になりました。しかし、既存の広告を軸にしたマーケティングとの違いや、効果測定、そして何より、誰がどのようにやるのか?という部分に疑問があり、なかなか取り組めないという声が聞かれます。

そこで、今回は、SNSマーケティングについて、より効果的な方法を交えながら、解説します。

SNSマーケティングと企業戦略

SNSマーケティングに取り組むべき理由

企業がSNSマーケティングに取り組む理由は、非常に明快です。SNSに人が集まっているから、です。特に、スマートフォンからSNSを利用するユーザーが、日本でも非常に高い割合に達しています。

総務省「令和3年通信利用動向調査」によると、通信機器の保有状況は、スマートフォンだけで88.6%に達しています。

またSNSの利用者は、全年齢層で78.7%に達しており、70代でも60.7%もの人々が、SNSで、従来からの友人とのコミュニケーションを楽しんでいることがわかります。

また、SNSを利用するようになった多くの人々は、コミュニケーション以外にも、SNSを商品を知る手段、調べる手段として活用しており、調査によると半数の人々が「SNSで見た商品をよく購入する・時々購入する」と答えています。

「SNS検索」対策

SNSを情報収集に活用する動きはより大きくなっています。ICT総研の調査によると、SNSを利用する理由として、趣味や仕事などの情報収集を目的としている人は44%に上りました。

知人同士の近況報告や、人とのつながりを作りたいというSNSらしいと思われていた用途を上回っていることがわかります。

その背景には、広告への抵抗感が強まっていることから、一般的なユーザーの声を合わせて見たいというニーズがあります。

加えて、検索エンジンは、過去の情報、かつ記事やブログなどまとめられた情報を発見することに役立ちますが、SNSでの検索は、より素早い、編集されていない情報を集めることができます。

広告や編集された情報ではない、「生の情報」を集める手段として、SNSが活用されているため、企業は商品やサービスについて、SNSのユーザーとコミュニケーションを取りながら、より正しい情報を提供し、知ってもらうことに努める必要があるのです。

SNSマーケティングがより有効なビジネスモデル

SNSで最もマーケティング効果が高いとされているのは、「10〜30代をターゲット」とした、「話題性のある商品・サービス」が挙げられます。

具体的には、身近で手軽な食品、購入前に検討を重ねる傾向が強い家電やコンピュータ、スマートフォンなどのガジェット、同様に使った結果を重視する化粧品やファッションも、相性が良いとされています。

もし、自社製品のターゲットが異なっていたり、口コミが生まれやすい種類の商品でない場合はどうでしょうか。

前述の通り、現在SNSは全世代にわたって活用されるようになりました。またFacebook、Instagram、X(Twitter)では、広告の機能として世代や属性を絞る機能を利用することも可能です。

加えて、商品についても、より魅力的で話題になる商品へと進化させていくなど、SNSマーケティングを前提とした商品作りによって、ニーズを取り入れることにもつながります。

SNSマーケティングで狙いたい効果

SNSマーケティングにこれまで取り組んでこなかった企業にとって、SNSマーケティングからられる効果は、いずれも新鮮なものとなるはずです。

それぞれの効果について見ていきましょう。

1つ目は、ファンの獲得と可視化です。

ファンというと、タレントやアイドル、音楽グループなどをイメージされるかもしれませんが、企業の商品やサービス、ブランドにも、熱狂的なファンが生まれます。

その商品やブランドのことが好きで、喜んで使ったり消費したりする人たち。彼らがSNSで自主的に、商品のことを投稿している人を発見することができます。

同様に、マーケティングの働きかけで、商品やサービスを認知させたり、好きな人を発見し、可視化、つながりを作っていくことができるようになります。

その上で、2つ目は顧客との直接的なコミュニケーションです。

SNSは、企業アカウントも、個人のアカウントも、同様に投稿ができ、返信をしたり、メッセージを送り合うことができるようになります。

既存の広告は、一方通行で企業からの発信に終始しており、そのリアクションを別途調査しなければなりませんでした。しかしSNSでの企業の発信には顧客も「いいね」「リポスト」などのリアクションや、返信のコメントをつけることもでき、双方向のコミュニケーションを作り出すことができます。

このことは、顧客にとっては、意思疎通ができる相手となり、愛着や信頼感を高めてもらう効果が期待できます。

そして3つ目の効果は、マーケティングや商品開発に「顧客の声」を導入できる ことです。

顧客の声が直接取り入れられる点は、マーケティングの有効性や方向性を検証するだけでなく、ちょっとしたテストを行なったり、製品やサービスそのもの良い点、悪い点、不具合なども、直接目にすることができるようになります。

そのため、企業は、商品やサービスの改善やサポートを、リスクが少ないうちに対処することができるようになります。

加えて、SNSの反応を細かく顧客のニーズの変化やトレンドの変化など受け取ることができるようになります。

SNSマーケティングの注意点

SNSマーケティングには顧客との直接的なコミュニケーションをとることができるようになり、さまざまな効果を得ることができます。

その一方で、注意しなければならない点も3つ、ご紹介しておきます。

1つ目は、企業・担当者の「倫理観」や「リスク管理」が重要であることです。

SNSマーケティングでは、アカウントを運用する担当者が、企業や商品そのものを代表して発信していくことになります。個人のキャラクターを活かした運用にも注目がされますが、あくまで企業・商品として発信していることを意識しなければなりません。

そのため、個人の良識だけでなく、社内を通じたSNSでの情報発信のルールを定めておくことが重要です。

2つ目は、炎上のリスクです。

SNSでの情報発信のリスクとして、炎上があります。不適切な投稿やモラル違反、他者批判、ジェンダーや災害などへの配慮不足で一部の顧客に対して結果的に攻撃になってしまっていることなど、原因は多く存在します。

炎上は、SNSでは一部の顧客のネガティブな反応が、一気に広がってしまい、SNS上で周知されてしまう現象を言います。同時に、ネガティンな反応が企業に向けられ、企業や製品のブランドを著しく毀損する結果がもたらされます。

3点目は、長期的な取り組みが必要である点です。

マーケティングは、どうしても即効性を求めがちで、特にマスメディアでの広告は、多くのリーチを瞬時に獲得する手法として認知されています。

しかしSNSマーケティングは、より長い時間をかけた取り組みであることを理解する必要があります。究極的には顧客ひとりひとりとのコミュニケーションを集約していくイメージ、というと、短期的に成果が上がる手法ではないことが分かりやすいのではないでしょうか。

SNSユーザーに知ってもらい、フォロワーが増え、コツコツと情報を発信したり、顧客の質問に答えていくことで、じっくりと信頼関係を築いていく。そうした中で、より顧客に喜ばれる投稿は何か、どんな情報やニーズがあるのか、ということを蓄積する試行錯誤と探索の時間も必要となります。

SNSマーケティングでよく活用される7つのサービス

Instagram

10代後半から20代を中心として、日本国内で3300万人が日常的に活用する写真と動画を中心としたSNSです。拡散性は低いのですが、ハッシュタグが重視され、タグでの情報検索が行われています。

YouTube

日本国内では、インフルエンサーマーケティングで最も活用されている、世界最大の動画共有サービスです。視聴者は国内で7000万人と言われ、その視聴層も10代から70代と幅広く広がっています。そのため、動画投稿のジャンルも幅広く、動画広告も盛んに活用されています。

Facebook

世界最大のSNSで、日本国内にも2600万人が利用しています。30〜50代が中心で、実名での登録、1人1アカウントの原則などのルールがあります。その結果、ユーザーの性別や年齢層を絞った広告や投稿の露出といった「ターゲティング」が行いやすいのが特徴です。

X(Twitter)

日本国内で4500万人が利用する短文投稿サイトです。イーロン・マスクが買収後は、プラットフォームの変革や混乱が続いています。10代から40代の幅広い人たちが利用し、匿名性が高く、1人で複数のアカウントを持つことも一般的です。商品やサービスの口コミや、事件、事故などの情報が素早く共有される点も、他のサービスとは異なる点です。

TikTok

10代〜20代を中心に1700万人が利用する縦型、短時間の動画に特化したSNSです。アルゴリズムによって、短い動画が次々に再生されることから、フォロワーが少ないアカウントでも、関連の動画を制作することで、視聴数を集めることができます。

LinkedIn

世界最大のビジネスSNSで、日本でも300万人が登録しています。実名登録が原則で、企業名やキャリアなどを登録し、ビジネスネットワークを構築したり、採用や転職活動の場としても活用されています。

LINE

日本で9300万人と、圧倒的な利用社数を誇る、メッセージアプリを中心としたサービスです。スマートフォンユーザーのほとんどがアカウントを持っており、連絡手段としての利用が多数を占めますが、企業の公式アカウントでの情報発信や、ニュース、決済などのサービスも用意されており、滞在時間も長くなっています。

SNSマーケティングで実施する手法

企業アカウントの作成と運用

InstagramやFacebook、YouTube、X(Twitter)上に自社や製品の公式アカウントを作成し、情報発信からスタートします。当初は広告などを行わず、ユーザーとの接点を作りながら、企業や商品のインチを拡大し、又最新の情報の提供やブランディングを通じて、既存の顧客を起点にしながら、ターゲットとなる層につながりを拡大させていきます。

炎上などのリスクに注意しながら、情報発信に加えて顧客とのコミュニケーションに取り組んでいくことで、信頼関係を作っていくことがポイントとなります。

SNS広告でのアピール

XやInstagram、Facebookでは、SNS投稿を広告として出稿することができます。他の投稿と同様の形式でタイムラインに広告を流すことができるため、他の投稿となじみ、顧客に見てもらいやすい形でアピールすることができます。

ターゲットを絞ることで、より広告コストを効率的にすることができるほか、文字だけでなく写真や画像、動画を利用することで、より多くの情報をアピールすることにもつながります。

SNSキャンペーン

ユーザー参加型のイベントやキャンペーンをSNS上で展開します。

例えば、フォローやリツイートをしてくれたユーザーにプレゼントを提供したり、ユーザーに商品やサービスを用いた投稿を作ってもらうコンテスト、ハッシュタグを付けて投稿してもらう、といったパターンがあります。

フォロワー数を増やしたり、参加型にすることで製品やブランドをより身近に感じてもらったり、ユーザー同士の拡散につながるといったメリットがあります。

ユーザーの声を集めて分析する – ソーシャルリスニング

SNSに投稿された内容を集めて、分析を行うことで、顧客が何を考えているのか?顧客の本音は何か?といったリアルな声をマーケティングや製品開発にフィードバックする手法のことを、「ソーシャルリスニング」といいます。

例えば、商品やサービスについて、顧客が分かりにくい、使いにくいと感じている点を発見できたり、SNSアカウントそのものの評判や、企業に対する要望を見つけ出すこと、またそうした声に応える姿勢をアピールすることで、信頼関係を作り上げていくことにつながります。

インフルエンサーとのコラボレーション – インフルエンサーマーケティング

ニッチな分野に専門的で、SNS上でフォロワーを多く抱えるインフルエンサーとパートナーシップを結び、商品やサービスを紹介してもらうことで、より多くの人々に認知してもらうことを狙ったマーケティングです。

例えばYouTubeではガジェットの新製品紹介や、料理のレシピ動画などでコラボレーションが盛んに行われています。

インフルエンサーマーケティングについて、詳しくは、こちらをご覧下さい。

[clink url=”https://news.infrect.com/words-influencer-marketing/”]

SNSマーケティング成功に向けたステップ

SNSマーケティングを行っていく上で、まず何から始めれば良いのか?という疑問にお答えします。始めるにあたって取り組むべき4つのステップと、成功のための3つのポイントをご紹介します。

SNSマーケティングを始めるための4つのステップ

SNSマーケティングを始める上で、まず最初のステップは「目的と顧客の定義」です。

SNSマーケティングを行う目的
  • 商品やサービスの認知を高める
  • 商品やサービスの購買や活用を促進させる
  • イベントやキャンペーンの実施
  • PR
  • ソーシャルリスニング
  • 人材の採用活動

など、様々な活用が可能です。

商品やサービスのアカウントなのか、企業のブランディングなのか、人材採用なのか、目的をはっきりと決めなければ、想定する顧客も定められません。

次のステップは、「SNSと手法を選ぶ」ことです。

目的に合わせてターゲットやペルソナが設定できたら、これらに最適なSNSプラットフォームの選択、あるいは複数の組み合わせを考えます。

自社製品のサービスについて、長期的な顧客とのつながりを作りたければ、X(Twitter)やInstagram、Facebookを中核に置きます。あるいは活用やオススメなどを紹介する場合は、Instagram、TikTok、YouTubeといった動画プラットフォームの活用を考慮すべきです。またイベントなどのPRが頻繁であれば、YouTubeやInstagramのライブ機能の活用を検討すると良いでしょう。

続いてのステップは「運用方法の検討と目標の設定」です。

SNSマーケティングは継続的な活動となります。誰がどのようにやるのか?といった体制を、できるだけ自社のスタッフを中心に組み立てることが重要です。

というのも、SNSから得られる情報は単にPRや顧客へのリーチだけでなく、商品やサービスの改善、ブランディングに役立つフィードバックが得られるからで、できるだけ社内に生の声を取りれられる体制を作ることが望ましいと言えます。

また目標は数値で設定して行くと良いでしょう。例えば、1ヶ月にフォロワーを何人増加させるか?自社サイトへのアクセスをSNS経由で何件アップさせるか?ユーザーに何件の関連した投稿をしてもらうか?など、期間と明確な数字を当てはめていくと良いでしょう。

そして最後のステップは「実行と分析」です。

これまでのステップで準備ができたら、SNSマーケティングの施策を実施します。

その上で、目標の数値の達成状況といった定量的な分析と、顧客からのフィードバックという定性的な分析を行いながら、目標達成の成功要因、未達の場合の課題などのフィードバックから改善を行います。

SNS上でのトレンドは素早く移り変わるため、最新の手法や流行を学びながら、うまく取り入れていけると良いでしょう。

アカウント設計は、ターゲットとのコミュニケーションを規定する

SNSマーケティングを成功に近づけるためのポイントに、アカウント設計があります。一方的に情報を発信するだけでは、SNSの良さを半分しか生かせません。ユーザーとのコミュニケーションに積極的に取り入れて行くことが大切です。

例えば画像のトーンを合わせる、テキスト投稿や返信の口調を整えるなど、SNSアカウントのキャラクター作りから、組みながら、他社との違い、競合との差別化を明確にしていくことで、認知と信頼感を獲得していくとよいでしょう。

実施体制を作る

SNSアカウントの運用は、複数名のチームで取り組むと良いでしょう。コンテンツ作りだけでなく、コミュニケーション、分析、他部署との折衝や調整など、SNS運用には数多くの業務が存在しています。

長期的に取り組んでいく必要もあるため、社内でそれぞれに長けた人を見つけて担当することが大切です。また、社内リソースが足りない場合は、特にコンテンツ制作などで、制作会社をパートナーとして活用する事も検討すると良いでしょう。

SNSマーケティングの進捗を、分析で管理する

SNSマーケティングは複数のプラットフォームで実施されることがほとんどです。そのため、プラットフォームごとに、ターゲットや投稿のパターン、分析などを行っていくと良いでしょう。

各プラットフォームごとに目的に変化を付けながら、それらの達成状況を分析します。もちろん未達成になることもあると思いますが、投資をする前に、定量だけ出なく定性的なユーザーの反応も検討しながら、アピールの方法やリーチの作り方の工夫を行っていくと良いでしょう。