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TikTokマーケティングとは?戦略と成功事例をご紹介

TikTokとは動画に特化したSNSです。近年では多くの企業がマーケティングに活用しています。

しかし、他のSNSとは違い独特の機能や文化があるため「上手い参入の仕方が分からない」といった声が非常に多いです。

そこで今回の記事では、TikTokの基礎情報からTikTokマーケティングの戦略やその成功事例まで徹底解説したいと思います。

ぜひ最後まで読んでください。

Contents

TikTokマーケティングとは何か?

TikTokマーケティングとは動画に特化したSNSである「TikTok」を利用したマーケティング手法です。

動画マーケティングと言ってもタダの動画ではなく、スマートフォン向けのショートムービーを利用したマーケティングです。

TikTokは10分以上の動画が撮影可能ですが、長い動画を見せてじっくりと購買意欲を刺激するのではなく「数十秒〜数分程度」の短い動画で購買意欲を刺激することが求められます。

そのためYoutubeや他の動画サイトのような長時間動画の感覚でコンテンツを作ってしまうと、TikTokユーザーにはまるで刺さりません。

TikTokの特徴を深く理解しつつ、入念に準備をする必要がTikTokマーケティングにはあるのです。

そもそもTikTokとは、どんなアプリなのか?

TikTokとは、数十秒から数分程度の短い動画をメインとしたSNSです。

TikTokアプリ内でコンテンツを投稿しているクリエイター達を、TikToker(ティックトッカー)と呼びます。

「そもそもTikTokとはどんなアプリなのか?」

以下で詳しく解説します。

TikTokの基礎情報

TikTokの基礎情報は以下の通りです。

基礎情報
開発元:ByteDance(バイトダンス)
初版:2016年9月7日
対応OS:iOS/iPadOS/Android

TikTokは、中国のテクノロジー企業が運営する動画に特化したSNSです。
開発元のByteDanceは、評価額10億ドル以上のスタートアップ「ユニコーン企業」として、2021年には世界1位を獲得するほどの企業です。

TikTokは、もともと2016年に中国市場でリリースされた抖音(ドウイン)の国際版です。
TikTokは2017年に米国の10代をターゲットにしたMusical.ly(ミュージカリー)と合併してから中国以外の世界中で利用されるようになりました。

TikTokの月間アクティブユーザー数

TikTokの月間アクティブユーザー数は以下の通りです。

世界:15億6000万人
日本:1700万人

そして、以下が日本におけるSNSの月間アクティブユーザー数のランキングです。

LINE:9600万人
Youtube:7120万人
X(旧Twitter):6650万人
Instagram:6600万人
Facebook:2600万人
TikTok:1700万人

TikTokの月間アクティブユーザー数は、日本では6位に位置します。

TikTokは世界はともかく、日本では意外にも利用者数が少ないように見えますが、TikTokの動画が他のSNSでも投稿されていたりします。

TikTokの動画がYoutubeで投稿されたり、X(旧Twitter)で投稿されたり、Instagramで投稿されたりするわけです。

数十秒から数分のショートムービーなので、他のSNSとも相性が良いのです。

バズったコンテンツがSNSをまたいで広がることを考えると、月間アクティブユーザー数の数字よりも大きな影響力が期待できると言えるでしょう。

日本におけるTik Tokの平均年齢

【画像】TikTok-average-age.jpg
博報堂:コンテンツファン消費行動

上記は全国の15〜69歳の男女約1万人を対象に、エンタテインメントやスポーツなど計11カテゴリのコンテンツに対する消費行動の実態を調査したものです。

この調査で示されたのは「TikTokの平均年齢が36歳に上昇したこと」です。

もともとTikTokは10代〜20代の若年層が使うサービスでしたが、年々利用者の平均年齢は上昇し今では36歳にまでなりました。

この平均年齢の上昇は、単にユーザーの高齢化を示すものではありません。

なぜなら、Webサービスは成長すればするほど日本人の平均年齢(48歳)に近づいていくからです。

これまで若年層をメインに利用されていたのが、購買力のある30代や40代に利用されるケースが増えていったことが、このデータから示されています。

現にTikTokは当初、アイドルや好きなクリエイターを探す人がほとんどでしたが、レストランを探したり旬なファッションを探したり、検索行動の幅が広がっています

「単にTikTokが高齢化してるのではなく、順調に成長し幅広い層にアプローチができてきた」と、この平均年齢の上昇から読み取ることができます。

ちなみに日本人の平均年齢は48歳ですから、まだまだTikTokには伸び代があると言えます。

今後のTikTokの成長には大いに期待して良いでしょう。

日本におけるTikTokの男女比

男性:40.7%
女性:59.3%

Digital 2023: Japan

上記が日本におけるTikTok利用者の比率です。

開発元のByteDanceの広告リソースで公開されてるデータからのものです。

女性の方がやや多いですが、近年では男性にターゲットを絞っても十分なマーケティング効果があることが、良く分かると思います。

極端に女性のみをターゲットに絞るのではなく、男性にもアプローチできる動画を作るなど、柔軟性に富んだマーケティング戦略もTikTokにおいては有効です。

TikTok動画とTikTokライブ

TikTokでは以下2つのコンテンツを発信できます。

  1. 動画
  2. ライブ

1. 動画

TikTokの動画は、YoutubeやInstagramと同じです。

ただし、TikTokでは数十秒から数分で消費できる「ショートムービー」が主流なので短い時間で見る人の記憶に焼き付くような、そんな動画が求められます。

動画の尺が短いので、見る人の気を引くポイントや購買意欲を煽るポイントなどを、きちんと考えて動画を作る必要があり、動画の企画や動画編集などの高度なスキルが求められます。

TikTokでは若いクリエイターが目立ち、ここで成果を出すのは簡単なように言う人もいますが、ほとんどのTikTokerはスキルの高い人達ばかりです。

TikTokはYoutubeとは見る人の意識も違うので、きちんとTikTokを知り尽くしてから参入する必要があります。

2. ライブ

TikTokには2020年から「TikTok LIVE」といったライブ配信機能が備わっています。

サービスが始まった当初は一部の芸能人またはインフルエンサーのみが利用できましたが、
現在は一定の条件を満たせば一般の方でも配信ができるようになっています。

TikTok LIVEが配信できる条件は以下の通りです。

  • 18歳以上であること
  • TikTokのフォロワーが1000人以上いること

TikTok LIVEの魅力は「TikTok LIVE Gifting」と呼ばれる「投銭機能」です。

TikTok LIVEでは、ライブ配信中にリスナーがTikTok内のコインで購入したギフトを配信者に送ることで投げ銭を行うことができるわけです。

動画と違いライブ配信は「1時間以上の長時間」行うのが通常。リスナー達のコメントを上手く拾うなど、アドリブ力も求められます。

ライブ配信は動画とは、まるで違うスキルが求められるわけですが、TikTok LIVEではトッププレイヤーともなると「数百万円〜数千万円」ものお金を稼ぐ人達もいます。

TikTokのライブ配信は、動画とは違ったスキルが求められますがマーケティングの選択肢として視野に入れておくべきと言えるでしょう。

TikTokで人気のジャンルを紹介

TikTokでは以下のジャンルが人気です。

  1. コスメ・ビューティー系
  2. ダンス・踊ってみた系
  3. YouTubeの切り抜き系
  4. 音楽・歌ってみた系
  5. ハウツー・知識系
  6. おもしろ・ネタ系
  7. ファッション系
  8. グルメ系
  9. 癒し系
  10. 雑談

順番に解説します。

①コスメ・ビューティー系

コスメ・ビューティー系はメイク動画などのジャンルです。

メイク前の状態からメイク中、完成までの一連の流れが動画になっているため、ユーザーが再現しやすく何度も再生される特徴があります。

またメイクテクニックの丁寧な解説や、複数のコスメの比較など、購買意欲を掻きたてる動画もあります。

「メイクテクニックの紹介→自社製品の紹介」など、購買に繋がる導線が組みやすいので、化粧品を扱う企業なら、ぜひとも参入すべきジャンルと言えるでしょう。

②ダンス・踊ってみた系

TikTokの中でも「ダンス」や「踊ってみた系」は人気ジャンルです。
「踊ってみた系」とは、さまざまな楽曲の振り付けをコピーし「踊ってみた」という題目でダンスする動画の投稿です。
主に10代から20代の投稿者が多く、個人からグループまで、さまざまなユーザーが投稿しています。

トレンドの音楽に合わせて踊る動画は、動画の尺が短く一瞬で目を引くため、再生されやすいジャンルでもあります。
最近では企業も「踊ってみた系」の動画を投稿しており、航空会社のキャビンアテンダントさんが踊る動画などは非常に有名です。

踊ることで購買意欲が刺激されることはありませんが、航空会社やホテルなど観光業に関しては「面白さや楽しさ」が伝わって、間接的にサービスの利用に繋がるパターンが考えられます。

踊ってみた系は動画のネタが尽きる心配もないため、使い方によっては上手く成約まで繋がるコンテンツになる可能性があります。

③YouTubeの切り抜き系

「YouTubeの切り抜き系」とは、YouTubeの動画をTikTok用に切り抜いて投稿することです。

人気のあるYouTuberや好きなYouTuberの動画の最も面白かった部分を切り抜いて、投稿してる人が多いです。

「YouTubeの切り抜き系」は非公式で許可なくやっている人もいますが、クリエイターにきちんと許可を取って切り抜き動画をアップしてる人もいます。

YouTuber側としても、元の動画をTikTok用に編集する作業はお金も労力もかかる作業なので、他人が自発的に「切り抜き動画」をアップしてくれるのは宣伝にもなってメリットがあります。

無許可の場合は著作権法違反になりますが、許可を取る場合は利益の何%かを動画の持ち主であるYoutuber側に支払う形で「YouTubeの切り抜き動画」は成立しています。

TikTokでは「#youtube切り抜き」といったハッシュタグがあるほど人気で、数億に上る視聴回数を記録しています。

もしも、企業が参入する場合、既に育っているYoutubeアカウントやInstagramアカウントがあるのなら、そのコンテンツをTikTok用に編集して投稿する形で始めてみるのも非常に良い選択です。

Youtubeをメインで動画投稿
Youtubeの動画を数分に切り抜いてTikTokに投稿

これだけでも拡散効果は増します。

「YouTubeの切り抜き系」は著作権法と隣り合わせなのですが、考えようによっては上手いやり方は沢山あるので、選択肢の1つとして考えておくべきでしょう。

④音楽・歌ってみた系

音楽・歌ってみた系」は人気のジャンルです。

「歌ってみた系」は有名な曲を歌った動画のことです。歌の上手い人が有名曲をカバーしたコンテンツです。

また有名な歌手が新作の楽曲をTikTokに投稿するなど、さまざまな音楽が投稿されています。

TikTok発で人気が出たアーティストは、シンガーソングライターの瑛人さんが有名です。2019年に「香水」といった曲をリリースし、その影響はテレビまで波及しました。

このようにTikTokから火がつき、音楽のメジャーシーンに上がってくるアーティストも非常に多いです。

土曜や日曜の夜に東京の渋谷に行くと、TikTokの動画やライブ配信をしてるアーティストの卵の人などを最近では見ることができます。

TikTokはそれくらい音楽活動をする人にとって、チャンスが広がってきているのです。

⑤ハウツー・知識系

ハウツー・知識系」とは「持っている知識」や「使い方」などのノウハウを教える動画を意味します。

例えば以下の通りです。

絵の描き方
料理の作り方
恋愛テクニック
ダイエットの仕方
防災時に役立つ知識

「ハウツー・知識系」は企業が最も参入しやすく、成約に繋げやすいジャンルと言えます。

なぜなら「こんなに役立つ知識をくれるなら、きっとこの企業の商品(サービス)は有益なのだろう」と、視聴者に思ってもらうことが可能だからです。

もしも、デジタルイラストを描くための液晶ペンタブレットを販売する会社なら「自社製品を使った絵の描き方講座」などをTikTokでやるのもありです。

例えば顔の描き方などを教える動画を投稿する場合、動画の描き方を完全に再現するためには自社製品を買う必要性が出てきます。

クオリティの高い「お絵描きノウハウ動画」をどんどん投稿していき、視聴者を引きつけることができれば、動画を見れば見るほど単純接触効果が働き、いつの間にか自社製品が欲しくなる心理状態を作ることができます。

これは液晶ペンタブレットだけではなく、お料理の包丁でも同じようなことが可能です。

お料理動画を毎回投稿するわけですが、毎回自社製品の包丁を登場させて、さりげなく切れ味などをアピールするのです。

もし動画のクオリティが高く、視聴者を引き込むことができれば、単純接触効果により自社製品への愛着が湧き、製品をどうしても買ってみたくなる心理状態へ引きこむことが可能です。

このように「ハウツー・知識系」は企業として、非常に参入がしやすく購買意欲も刺激しやすいジャンルです。

「ハウツー・知識系」に関しては、企業としてTikTokへの参入を考えるなら、まず最初に考える選択肢の1つと言えるでしょう。

⑥おもしろ・ネタ系

おもしろ・ネタ系は、クスっと笑ってしまうような動画ジャンルです。

おもしろ・ネタ系の動画は「何度も見てしまう」「友達にもシェアする」といった行動が起こりやすいです。

そのため、人気が出ると視聴回数が一気に増加したり、シェアされやすくバズりやすかったりするのも特徴です。

最近では単におもしろ動画だけではなく「おもしろ×飲食店の紹介」など、組み合わせるパターンが増えています。

ひとネタをのせながら、おもしろおかしく飲食店を紹介してるわけです。

笑いとは万人に届くものなので、お笑いコンテンツを作れると、バズった時の瞬間風速は凄まじいものがあります。

企業として、この「おもしろ・ネタ系」に参入するのは、スキルの他にイメージの問題もあり難しい部分がありますが「お笑い」が多くの人に届く可能性があることは、常に頭に入れておくべきでしょう。

⑦ファッション系

ファッション系とは、トレンドのコーディネートやトレンドアイテムの紹介動画などです。

ファッションは「着まわし」や「色使い」など、そのような動画だけではなく「トレンドの移り変わり」が非常に魅力です。

「春夏秋冬」と季節により、毎年トレンドとなるファッションは違うので、常に動画のネタは豊富な状態です。

そして、服が欲しい人にとっては、着ている姿を魅せるだけで購買意欲が掻きたてられます。

例えばアパレル関係の企業の場合、単純に服の紹介をするのではなく、自社の服を着て東京・代官山を歩く姿を動画にするだけで「その服を着て、オシャレな街を歩く姿」を視聴者に上手くイメージさせることができます。

その服を着ている姿を上手くイメージさせることができれば、あとは自社製品をアピールすることで「この商品が欲しい」といった気持ちを喚起させることが可能です。

ファッション系は色々な角度から、購買意欲を刺激できる動画を作ることが可能なので、ジャンルとして選ぶのは非常に良い選択です。

⑧グルメ系

グルメ系とは、飲食店の紹介動画などです。

1店舗をじっくり紹介したり「東京でケーキが美味しい店5選」など、複数まとめて紹介するパターンもあります。

TikTokはYoutubeとは違い数秒から数分のショートムービーが主流なので、インパクト重視の飲食店紹介動画が非常に多いです。

⑨癒し系

癒し系とは、かわいい赤ちゃんやペットなどの動画です。

赤ちゃんやペットは、一瞬で目を引くのでTikTokとの相性は抜群。子育ての悩みや、ペットとの共同生活での悩みに答えるような動画も非常に人気です。

最近では動物園がTikTokアカウントを作って発信するなど、新しい流れもできつつあります。

かわいいものは、TikTokに限らずどのSNSでも強いので、選択肢として入れておくのも良いでしょう。

⑩雑談

雑談とはTikTok LIVEのいちジャンルです。

TikTokの動画はショートムービーが主流ですしYoutube動画でも、きちんとネタを組み立てて動画を作るのが基本なので雑談などは、ほとんどありません。

しかし、生配信の世界では「雑談」のジャンルが非常に強いです。

なぜなら生配信とは、リアルタイムの流れの中でリスナーのコメントを拾いながら話を展開していく能力が求められるからです。

生配信の世界でも歌や料理などのジャンルはありますが、リスナーのコメントを拾わないと配信が盛り上がらないのです。

配信が盛り上がらないと、当然「投銭」なども投げる人もいないので、生配信ではどんなジャンルでも「アドリブで話を展開する能力」が求められます。

生配信の世界では、今話してる内容とは全然関係ないようなコメントをする人が一定数います。

配信を見ている人の数が多い場合、そんなコメントは無視しても配信は成立しますが見ている人が少ない場合は、関係無いようなコメントでも上手く拾って料理をしていかないと、その場の熱が冷めてしまい閲覧人数が減るようなことがあります。

これが動画とは違う、生配信の難しさで、もしもTikTok LIVEへの参入を考えている人は、この雑談力の問題を真剣に考えて準備する必要があります。

なぜTikTokマーケティングが注目されるのか?

なぜTikTokマーケティングは注目されるのでしょうか?以下でメリット・デメリット含めて解説します。

TikTokマーケティングのメリット

TikTokマーケティングのメリットは以下の通りです。

  1. 情報の拡散力が高い
  2. UGCが発生しやすい
  3. 編集のハードルが低い
  4. 消費金額が他のSNSよりも高い
  5. 国内だけではなく海外にもリーチできる
  6. アプリを開くだけでコンテンツを楽しめる

順番に解説します。

1. 情報の拡散力が高い

 

TikTokは情報の拡散力が高いです。

なぜなら、TikTokではコンテンツの評価システムが「動画単位」だからです。

TikTokで拡散されるためには「おすすめ欄」にコンテンツが表示される必要があります。

この「おすすめ欄」はフォローフォロワー関係のない人にも、コンテンツが届くのでバズるためには非常に重要です。

通常のSNSでは「いいねの数」や「フォロワーの数」が「おすすめ」に載るには重要であったりしますが、これらはそもそも最初から多くのフォロワーを獲得していないと成立しない話です。

フォロワーの少ないアカウントでは、バズるまでのハードルが非常に高い。

ところが、TikTokでは「動画単位」で「おすすめ欄」に表示されるかどうか決まるので、フォロワーの少ないアカウントでもチャンスがあります。

シェア数
・視聴時間
・視聴完了率
・複数回再生
・反応(いいね・コメント)
・同アカウントの動画の視聴数

TikTokでは上記の項目を意識して、コンテンツを作ると「おすすめ欄」に表示されやすいと言われています。

またTikTokのフィードの特徴は「ループ型」であることです。

古い動画でも、コンテンツの質が良ければ何度でも表示されるので、コンテンツの質をどこまでも追求することでバズる可能性が飛躍的に上がります。

そのようなことから、TikTokは情報の拡散力が高く、新規参入をする上でもチャンスが多いと言えます。

2. UGCが発生しやすい

TikTokはUGCが発生しやすいです。

UGCとは「User Generated Content」の略称で、簡単に言えば一般のユーザーによって製作されたコンテンツのことです。

例えば、ハンバーガーチェーンの場合、企業の投稿ではなく、お客さんによるハンバーガーのレビュー動画などがUGCにあたります。

企業の発信だけでは、その拡散力は限られますが、お客さん自身が企業の商品を使ってTik Tok上で動画投稿をしてくれるようになると、倍倍ゲームでコンテンツが拡散していきます。

そのため、Webマーケティングの世界ではUGCが発生しやすい環境を作ることが非常に大切だと言われています。

特にTikTokでは「ハッシュタグチャレンジ」と言うものがあります。

ハッシュタグチャレンジとは、TikTokの広告メニューの1つでハッシュタグ「#」を利用した広告です。
広告の企画でインフルエンサーが歌やダンスを行いユーザーが真似をして動画を投稿します。
その際に、企業の作る特定のハッシュタグをつけて投稿することでユーザーに参加を促しながら認知を拡大させていきます。

例えばハンバーガーチェーンの例だと、インフルエンサーに踊りながらハンバーガーを食べる動画を依頼します。

そして、一般ユーザーには、ハッシュタグを利用して「インフルエンサーと同じように、踊りながらハンバーガーを食べる動画を投稿してくれたらクーポンを差し上げますよ」とアナウンスします。

そうすることで、UGCを爆発的に増やしつつ、企業の認知も広げることに成功できるわけです。

UGCは自然発生的に増えるのが理想ですが、工夫次第で意図的にUGCを発生させることは可能で企業イメージの向上にも繋がります。

TikTokにはハッシュタグチャレンジのような、UGCが増えやすい文化があるので、それが大きな強みになっています。

3. 編集のハードルが低い

TikTok動画は、編集のハードルが低いのが魅力です。

TikTokでは数十秒〜数分のショートムービーを作ることになるため、動画編集にそれほど時間を割く必要がありません。

これがYoutubeで20分〜1時間に及ぶ動画を編集するとなると、その労力は内容にもよりますが10時間以上は必要です。

ここにタイトル
  • 編集動画の取り込み
  • 動画のカット
  • テロップの挿入
  • アニメーションの挿入
  • BGMや効果音の挿入
  • 確認や修正

上記のような工程を経て、動画を編集していきます。

これがTikTok動画の場合ですと、動画自体の尺が短く編集しない方がクオリティを担保できる場面が多々あります。

そのため、TikTokは編集のハードルが低いと言えます。

もちろんTikTokは独特な文化があるため、単純にYoutubeよりもハードルが低いとは言えませんが、動画編集が楽になることは間違いありません。

動画編集を専門業者に依頼する場合は、この編集問題は発生しませんが、Tik Tokであるなら専門業者へ依頼するのではなく、自分達で編集することも選択肢として入ってきます。

4. 消費金額が他のSNSよりも高い

TikTokは他のSNSに比べて消費金額が高いです。

【画像】TikTok-disbursement.jpg
DIGIDAY/コンテンツ消費調査

上記の調査は2023年に全国の15〜69歳の男女約1万人を対象に、エンタテインメントやスポーツなど計11カテゴリのコンテンツに対する消費行動の実態を調査したものです。

この調査によるとTik Tokユーザーのコンテンツに対する支出額が105,120円に対し、他のSNSのコンテンツに対する支出額の平均が68,516円でした。

TikTokユーザーのコンテンツ支出額は、全体平均の二倍近い数値を叩きだしています。

TikTokは一般的に、若年層のユーザーが多くコンテンツ消費が他のSNSよりも少ないように見られがちですが、きちんとデータを見るならTikTokが圧倒的にお金が動いていることが良く分かると思います。

企業にとって、この点は見逃せない大きな特徴であり、参入を決める十分すぎる動機になると言えるでしょう。

5. 国内だけではなく海外にもリーチできる

TikTokは国内だけではなく海外にもリーチできます。

なぜならTikTokの世界の月間アクティブユーザーは15億6,000万人であり、動画メインのSNSだからです。

TikTokは世界でも上位5位に入るSNSで、動画がメインのため日本語が分からなくても映像のみでコンテンツが楽しめます。

そのため海外の人にもコンテンツを見てもらえる機会も多く、海外のユーザーからコメントがつくことが良くあります。

成約のためには日本のユーザーをターゲットにすべきですが、コンテンツの質が良ければ海外のユーザーにも刺さる可能性があるのがTik Tokの大きな魅力です。

6. アプリを開くだけでコンテンツを楽しめる

TikTokはアプリを開くだけで、コンテンツを楽しめます

なぜなら、TikTokには「おすすめの動画」をランダムでタイムラインに表示させる機能があるからです。

TikTokを使用した過去のデータから、より興味関心度の高いコンテンツを表示してくれるため、飽きずに視聴し続けられる点が特徴です。

これはクリエイター目線では、コンテンツの質次第で、おすすめ動画として表示されるので「最初から一定数の閲覧が期待できる」ことを意味します。
このTikTokの「おすすめ動画」はユーザーにもクリエイターにも、お得な仕組みで、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

TikTokマーケティングのデメリット

TikTokのデメリットは以下の通りです。

  1. 炎上リスクがある
  2. 活用できる業種が限られる
  3. 売上に直結させるのが難しい
  4. 商用ライセンスのない曲は著作権侵害になる

順番に解説します。

1. 炎上リスクがある

TikTokには炎上リスクがあります。

炎上リスクは、どのようなSNSにもありますが、Tik Tokの場合は若年層のユーザーが多いため、炎上のパターンが読みにくいです。

ちょっとした言葉遣いや印象の悪さから、コメントが荒れて炎上に繋がるケースがあります。

年齢層の高い他のSNSよりも、炎上のパターンはTik Tokの場合は読みにくいので、炎上に関しては細心の注意を払って準備をする必要があります。

2. 活用できる業種が限られる

TikTokはマーケティングにおいて、活用できる業種が限られます。

TikTokは近年では平均年齢が36歳になるなど、利用者の年齢層も上がってはきていますが、やはりまだまだ若年層のためのSNSです。

そのため、どんなコンテンツでもユーザーに刺さるわけではなく「ファッション・グルメ・音楽・メイク」などが主流のコンテンツになります。

BtoB系の商品やサービスで勝負するのは難しく、TikTokとの相性は良くありません。

3. 売上に直結させるのが難しい

TikTokは売上に直結させるのが難しいです。

なぜなら、TikTokではエンターテインメントを楽しむのが目的のユーザーが多いからです。

あくまで商品やサービスの購入は二の次であり、コンテンツを通して「泣いたり、笑ったり、驚いたりしたい」わけです。

  • 良質なコンテンツを届ける
  • コンテンツを通して、商品への購買意欲を間接的に刺激する
  • 成約に繋げる

上記のようなプロセスを意識して、コンテンツを届ける必要があります。

ユーザーは商品が欲しくてコンテンツを見ているわけではなく、コンテンツを通して「泣いたり、笑ったり、驚いたりしたい」といったことを肝に銘じる必要があります。

商品やサービスの購入に誘導するのに、間接的なアプローチになるので下手な誘導では、まず成果は出ません。

細かい心理効果を動画の冒頭から利用して、コンテンツを作るなどして上手く成約に繋げる必要があります。

そのため、なかなか高度なマーケティングスキルが要求されることは覚悟しておくべきでしょう。

ただ単に、おもしろ動画を作るだけでは足りません。おもしろくも購買意欲を刺激し、おもわず商品やサービスに興味を抱いてしまうような、そんな高度な動画を作る必要があるのです。

4. 商用ライセンスのない曲は著作権侵害になる

TikTokでは、商用ライセンスのない曲は著作権侵害になります。

TikTokでは有名な曲を動画のBGMに使うことで、多くの人に視聴してもらえる可能性があがりますが、楽曲の商用ライセンスを確認する必要があります。

楽曲に商用ライセンスが無ければ著作権侵害になるので、その点は注意をして動画を作らなければいけません。

TikTokはJASRAC(音楽関連の著作権を管理する団体)と提携を結んでいるため、基本的には投稿する際に「楽曲を選ぶ」の欄に入っている曲を使う分には安全です。

しかし、以下の点だけは注意をしてください。

アニメやドラマの無断転載・切り抜き動画の投稿
CD音源やカラオケ音源をそのまま使用する
JASRAC管理権限外の海外の曲の使用

JASRACは音楽以外のアニメやドラマには対応してません。

JASRACなどと契約を結んでいる場合でも、録音した楽曲にある「原盤権」は著作権とは別なので、CDの音源やカラオケの音源をそのまま使用すると、TikTokで著作権違反になる可能性があります。

そして、海外の楽曲や替え歌などはJASRACの管理権限外である場合がほとんどなため、十分調べてから使う必要があります。

このように、音楽の権利関係は意外にも複雑なので細心の注意を払わなければ著作権侵害になるリスクをはらんでいるのです。

TikTokを利用したマネタイズ方法

TikTokを利用したマネタイズ方法は以下の通りです。

  1. 企業案件
  2. 投銭(ギフティング)
  3. Creativity Program Beta
  4. 有料の限定プレミアム動画
  5. アフィリエイト/コンテンツ販売

順番に解説します。

1. 企業案件

TikTokでは企業からの商品PRや、コラボレーションなどの形で収益化することが可能です。

企業によって違いはありますが、一定数のフォロワーを獲得していると、その影響力を利用して宣伝をしたい企業側から声がかかります。

昔はフォロワーが「数万〜数十万以上」が企業案件の目安でした。

しかし、最近では「コンテンツの質」や「自社商品のターゲットと同属性のフォロワーを抱えてるか?」などを見て判断するため、フォロワー数千人レベルから企業案件を獲得してる人もいます。

企業案件はフォロワーが単に多ければ良いわけではなく「企業の宣伝に、いかに貢献できるか?」が判断基準になっています。

そのため、企業案件を沢山獲得できるようになりたいクリエイターは、フォロワー数ではなく最初から「企業が扱いやすいクリエイター」としてコンテンツを作りブランディングをしています。

2. 投銭(ギフティング)

TikTokでは動画ではなく、TikTok LIVEと呼ばれる生配信ができます。

そのTikTok LIVEでは「TikTok LIVE Gifting」と呼ばれる「投銭機能」があります。

TikTok LIVEが配信するためには条件があり、その条件は以下の通りです。

  • 18歳以上であること
  • TikTokのフォロワーが1000人以上いること

このように、TikTok LIVEをやるには条件があり、生配信といった動画とはまるで別のスキルを求められますが魅力的なマネタイズ方法が用意されています。

ただし、生配信の世界では投銭を投げてもらうのも、実は簡単なことではありません

生配信の世界では、閲覧人数が1,000を超えていれば中堅以上ですが、閲覧人数が1,000人であっても、まるで投げられない人もザラにいます。

リスナーが投げたい気持ちになっていないわけです。また、そのリスナーも最初から最後まで、無料で配信を見たい人ばかりが集まっているパターンもあります。

一方で閲覧人数は100人程度でも、毎日3万円以上投げられてる配信者もいます。

要するに閲覧数に限らず「投銭をしたい人を集めて、投銭をしたい人の気持ちを上手く刺激するような配信」が求められるわけです。

TikTok LIVEは「初心者でも収益化しやすいので、おすすめのマネタイズ方法」といった言説が散見されますが、それは全くの誤解です。

生配信の世界は10年やっても売れずに、さまざまな配信サイトを転々としている人が数多くいるのが実態です。

生配信は高度な心理戦を余儀なくされますし、その時の時流を掴むセンスも必要とされます。

生配信は動画とは違い、独特の難しさがあるので細心の注意を払って参入を検討すべきでしょう。

3. Creativity Program Beta

TikTokにはCreativity Program Beta(クリエイティビティ プログラム ベータ)といった収益化プログラムがあります。

Creativity Program Betaとは、動画の視聴回数に応じて報酬が付与される収益化システムです。

収益の単価は1再生あたり0.02円〜0.05円です。

Creativity Program Betaの参加条件は以下の通りです。

  1. Creativity Program Betaが利用できる国に居住している
  2. 良好な状態のTik Tokアカウントを所持している
  3. コミュニティガイドラインと利用規約ポリシーに違反していない
  4. 悪意ある行為や詐欺行為に関与していない
  5. 個人アカウントを持っている
  6. 18歳以上である(韓国の場合は19歳)
  7. フォロワーが1万人(韓国の場合は5万人)以上いる
  8. 過去30日間のおすすめフィードの動画視聴数が10万回以上ある
  9. 報酬の対象になるオリジナルコンテンツを投稿している
  10. 1分以上の長さの動画を投稿している

そして、収益化される動画の条件は以下の通りです。

  1. 60秒以上の動画
  2. 1000人以上が視聴した動画
  3. ループ(2週目)しても収益は1回目だけ
  4. 5秒以上視聴されること
  5. 広告やプロモーション動画は対象外
  6. 切り抜きやオリジナル以外の動画は対象外

上記のように、なかなか厳しい条件ですがフォロワーが1万人を超えた段階で、収益化の道がきっちり見えてきます。

そのため、TikTokに参入する上では、まずはこのCreativity Program Betaに参加できるようになることを目指すと良いでしょう。

4. 有料の限定プレミアム動画

TikTokではTikTok Series(ティックトックシリーズ)と呼ばれる、有料の限定プレミアム動画を販売できるプログラムがあります。

クリエイターのプロフィールから、あるいは動画についているリンクから有料の限定プレミアム動画を購入できる仕組みです。

TikTok Seriesへの参加条件は以下の通りです。

  1. 18歳以上(韓国では19歳以上)である。
  2. 登録してから30日以上経過しているアカウントがある。
  3. 公開設定の個人アカウントまたはビジネスアカウントがある。政治的アカウントと非公開アカウントは対象外です。
  4. 過去30日間に3本以上の投稿を公開している。
  5. フォロワーが1万人以上いる。
  6. 過去30日間に1,000回以上の視聴数を獲得している。
  7. オリジナルのコンテンツを投稿している。
  8. アカウントが良好な状態であり、TikTokのコミュニティガイドラインへの違反を繰り返していない。

TikTok Seriesは「フォロワー1万以上」といった高いハードルはありますが、魅力的な収益化方法です。

有料動画の販売は、漫画と同じ手法を取るべきです。

週刊誌のバトル漫画などは、主人公がピンチになってその話が終わったり、謎の人影で新キャラクターの存在をその話の最後に印象付けたりします。

これはツァイガルニク効果と呼ばれる心理学を利用しており「次のお話が見たい!」といった気持ちを増幅させているわけですが、有料動画の販売にも応用は可能です。

無料動画では謎を残すような、中途半端な形で動画を終えて「続きは有料動画で」といった形で誘導するのです。

ツァイガルニク効果を利用した販売方法は、古くからある手法ですが今でもあらゆる媒体で効果を発揮しています。

ぜひTikTokのフォロワーが1万人を超えたら、TikTok Seriesで有用動画の販売にチャレンジしてみるべきでしょう。

5. アフィリエイト/コンテンツ販売

TikTokではアフィリエイトやコンテンツ販売が可能です。

TikTokではフォロワーが1,000人を超えると、プロフィール欄に任意のURLの掲載が可能になります。

そこにアフィリエイトリンクやコンテンツ販売のためのページリンクを貼るのです。

ただし、注意が必要で以下の項目のものはTikTokでは宣伝してはいけないことになっています。

  • 成人向けの性的な商品及びサービス
  • 酒類
  • 動物
  • 紙巻タバコおよびタバコ製品
  • 避妊用の商品およびサービス
  • マッチング・LIVEビデオアプリまたはサービス
  • 薬物関連製品およびサービス
  • 金融商品・サービスまたは機会
  • ギャンブル
  • 医薬品およびヘルスケア商品
  • 政治的なコンテンツ
  • 不正行為を可能にする商品およびサービス
  • 専門サービス(会計サービス、法律サービス、移民サービスなど)
  • 武器・弾薬・爆発物
  • 減量商品またはサービス
  • 偽造品
  • その他禁止商品またはサービス

TikTokでの宣伝は、なかなか制限があるので十分注意してください。

ちなみに宣伝活動はTikTokでは直接行わず、プロフィールにブログのリンクを貼り、ブログに人を流して間接的にアフィリエイトやコンテンツ販売をする人もいます。

ブログでのアフィリエイトやコンテンツ販売は、SEOやライティングスキルといった別のスキルが求められるのでハードルは高いですが、このように間接的に収益化を狙う人は多いです。

TikTokマーケティングに取り組むための具体的な手順

以下がTik Tokマーケティングに取り組むための具体的な手順です。

  • KGIの設定
  • KPIの設定
  • ペルソナの設定
  • アカウントの運用方針を決定

順番に解説します。

1. KGIの設定

まずはKGIを設定します。

KGIとは、Key Goal Indicator(キーゴールインジケーター)の略で、簡単に言えば最終目標のことです。

例えば「TikTokを利用して商品の売上を20%アップ」といった目標を掲げます。

このKGIをきちんと設定することにより、ブレることなく計画を立てることができます。

2. KPIの設定

次にKPIを設定します。

KPIとはKey Performance Indicator(キーパフォーマンスインジケーター)の略で、簡単に言えば中間目標のことです。

先の例で例えるなら「フォロワーを1万人に増やす」といった目標を掲げます。

KPIとは、あくまでKGIから逆算した実現可能な中間目標を設定しなければなりません。

非現実的ではいけなくて「KGIである最終目標を達成するために、どういった中間目標を立てれば良いのだろうか?」と考えるのです。

KGIを設定してKPIをきちんと設定できるのなら、地図とコンパスを手に入れたも同然で、進むべき道がクッキリと明確になります。

3. ペルソナの設定

次はペルソナを設定します。

ペルソナとはTikTokで自分達のコンテンツを見てくれる「架空のユーザー像」です。

例えば以下のペルソナが考えられます。

年齢:20代
性別:女性
職業:会社員
年収:400万円
趣味:カフェ巡り
1日のネット利用時間:3時間

ペルソナに関しては、もっと細かく設定するように教える人もいますがターゲットは絞れば絞るほど、他のユーザーを切り捨てることになるので注意が必要です。

ペルソナを細かく設定しターゲットを絞ると、それだけそのペルソナとマッチする人の心を捉えやすいコンテンツを作ることになります。

しかし極端な話、そのペルソナにマッチするような人が数人程度の少数では、めったに成約することはありません。

ペルソナにマッチしない人にとっては、まるで意味の無い動画になるので、動画の再生数も伸びることはないのです。

TikTokで多くのフォロワーを獲得したいのなら、ターゲットは絞りすぎず、ある程度は緩めにペルソナを設定した方が良いです。

4. アカウントの運用方針を決定

最後にアカウントの運用方針を決めます。

ここにタイトル
  • コンテンツのテーマ
  • 動画の投稿時間や投稿頻度
  • アカウントの運用データの分析ツール

上記の項目を具体的に決めます。

コンテンツのテーマは「KGIの設定・KPIの設定・ペルソナの設定」を、きちんとしていれば自然と上手く決定できると思います。

TikTokアカウントの分析ツールも、有料無料ありますが使いやすいものを選べば良いです。

問題は「動画の投稿時間や投稿頻度」です。

動画の投稿時間に関してはターゲットによって朝が良い場合もありますし、夜の19時以降が良い場合もあります。

動画の投稿頻度に関しても、ターゲットによって頻繁に見ないと忘れられてしまったり、逆に投稿頻度は少なくてもクオリティの高い動画を見たい人もいます。

この「動画の投稿時間や投稿頻度」に関しては、正解を導きだすのは非常に困難です。

そのため、動画の投稿時間や投稿頻度は最初にキッチリ決めるのではなく、データを見ながら徐々に最適化していく意識を持つ必要があります。

このようにアカウントの運用方針を決めたら、いざ運用の開始です。

TikTokマーケティングの成功事例とその戦略

TikTokマーケティングの成功事例とその戦略を紹介します。

ここにタイトル
  1. 日本マクドナルド:#ティロリチューン
  2. KIREIMO:#キレイモいいね割チャレンジ
  3. きずな出版:TikTok広告

以下で順番に解説します。

1. 日本マクドナルド:#ティロリチューン

日本マクドナルドでは2019年に、デジタルネイティブ世代へ向けてワンコインで買えるお得なセットメニューの認知獲得と来店促進を狙ったハッシュタグチャレンジを実施しました。

マックフライポテトが揚がったときの、あの有名な「ティロリ音」に合わせて簡単なダンスをしながら「500円バリューセット」を食べる動画をアップするチャレンジです。

この日本マクドナルドのプロモーションは、最初は「起動画面広告」とインフルエンサーを起用した、TikTokおすすめ欄に流れる短時間広告である「インフィード広告」から、スタートしました。

その結果、なんと3週間で「総再生数1億回とユーザー動画投稿数5万件」といった驚異的な成績を叩きだしたのです。

この日本マクドナルドのハッシュタグチャレンジは、ユーザーが気軽に参加できたのが成功の秘訣であり、他でも十分応用可能な手法と言えるでしょう。

約3週間で総再生数1億回突破!日本マクドナルドの「#ティロリチューン」

2. KIREIMO:#キレイモいいね割チャレンジ

若い女性をターゲットにしている女性専用の脱毛サロン、それがKiREIMO(キレイモ)です。

KIREIMOは2020年に「#キレイモいいね割チャレンジ」というTikTokのキャンペーンを実施しました。

これはハッシュタグをつけて動画を投稿し「いいね」の数に合わせた割引を実施するといった斬新な内容です。

「1いいね」あたり100円の値引きです。

さらに、若い世代に向けて「TGC teen」「女子高生ミスコン」「男子高生ミスターコン」「egg」「TEENS」などとも連携をして情報が拡散されるように設計しました。

その結果、なんと「総視聴者数2億回、ハッシュタグチャレンジ8万人」といった驚異的な数値を叩き出しました。

KIREIMOはこの「#キレイモいいね割チャレンジ」を成功させるにあたり、TikTok発のヒットソングである「ポケットからきゅんです!」の楽曲の作者に許可を取り、既存の流行曲でハッシュタグチャレンジを実施しています。

TikTokの動画はBGMが非常に重要なので、KIREIMOはこのBGMの選定に強くこだわることで、このキャンペーンを成功へと導きました。

KRREIMOの例は、ほんの少しのアイディアと気遣いが、ビジネスを成功させる秘訣であることを強く示していると思います。

参考:PRTimes

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000026568.html

3. きずな出版:TikTok広告

きずな出版は「自己啓発本・実用書・ビジネス書」などを中心に扱っている出版社です。

このきずな出版は「20代にとって大切な17のこと」というタイトルの本を宣伝するためにTikTok広告を出しました。

出版業界における広告の出稿先は新聞が主流でしたが、きずな出版ではそのことに限界を感じSNS広告の運用にチャレンジしたのです。

この「20代にとって大切な17のこと」といった本は、20代に向けた本です。

そのため「新聞を読まない20代にアプローチするために、新たにTikTok広告を活用して10代後半から20代のより多くの人にアプローチできたら」といった考えの元、きずな出版は広告を出稿しました。

その結果、Amazonの総合順位で10,000位〜15,000位を推移していましたが4,000位〜5,000位のゾーンまで上がり、TikTok広告のクリック数は約10倍。クリック率は他のSNS広告の約5倍の数値を叩きだしたのです。

さらに、この「20代にとって大切な17のこと」の本に関しては、発売されて半年近く経っているのに返本率がわずか数%に留まるといった結果を残しました。

本は書店に並んでから3週間経過すると返品が始まりますが、この返本率の低さは、かなりの成果です。

TikTok広告はテレビや新聞広告などに比べると、非常に安価ですし正確なデータが測定可能です。

この、きずな出版の事例は、アカウントの運用ではなく広告の出稿ですが、上手くターゲティングをすれば成果が出ることが良く分かると思います。

最近のTikTokでは広告を出稿しつつ、自分達でアカウントを運用するような「合わせ技」が目立っています。

上手くTikTok広告も活用することで、よりアカウントが成長することもあるので、TikTok広告も選択肢として頭に入れておくべきでしょう。

クリック数は他のSNS広告の約10倍!潜在意識に残る動画広告が書店にまで波及【きずな出版】

ぜひTikTokマーケティングにチャレンジしてください!

以上、TikTokマーケティングの基礎情報に加えて「具体的な戦略」や「成功事例」についても解説しました。

TikTokは数秒から数分のショートムービーが主流で、他とは違う特殊な環境です。生配信をやるにしても動画とは別のスキルが求められます。

しかし、今回の記事で触れたように、きちんと基礎知識を抑えて入念に準備をするなら、チャンスは沢山転がっているので、成功する可能性は十分あります。

ぜひ今回の記事を参考に、TikTokマーケティングに取り組んでください。