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インフルエンサーの定義を変える「コシューマー」

インフルエンサーからコシューマーへ

インフルエンサーの定義を変える必要がある

インフルエンサーマーケティングにおいて、企業がインフルエンサーを「メディア」の一つのチャネルとして扱うことは、一方的な情報発信を生活者に見抜かれてしまう、インフルエンサーの能力を生かせていない、という2つの理由から、避けていくべきことになっていきます。

インフルエンサーのフォロワーとなっている生活者の期待は、インフルエンサーの価値感・考え方・生活・成長・時には失敗をも、一緒に経験することにあります。インフルエンサーの体験を通じて、自分たちが楽しんだり、新たな知見を得たり、追体験をすることを目指していく。そんな関係性があることに、注目しなければなりません。

その中に、企業とのコラボと称して、企業の商品やブランドに関する情報が一方的に紹介されている様子を見ると、生活者は違和感を覚え、その企業やブランドに対して、あるいはインフルエンサーその人に対して、ネガティブな印象を持つことになるのです。

そして、企業からの一方的な発信は、インフルエンサーが自由な体験を阻害することになり、インフルエンサーの個性や創造性を生かすことができなくなってしまいます。このこともまた、フォロワーからすれば、悪い印象を持つきっかけに他なりません。フォロワーは、インフルエンサーの個性や創造性を、求めているからです。

企業は、インフルエンサーの定義を、「メディア」から変えて行かなければなりません。そこで登場するキーワードが、インフルエンサー総研で提唱している「コシューマー」(Co-sumer / Collaborative Consumer)です。

メディアのチャネルとしてのインフルエンサーが進化すべき存在としてあげているのが「コシューマー」です。その下敷きになっているのがプロシューマーという言葉です。

コンシューマーからプロシューマーへ

創造する消費者のことを「プロシューマー」(Prosumer)と呼んでいました。生産者(Producer)と消費者(Consumer)を合わせた言葉で、未来学者のアルビン・トフラーが提唱した新しいタイプの人間像を指します。

消費者が、単に生産者に対する顧客という枠を超え、より積極的に新製品の開発に携わったり、生産者が最適なものを作っていない場合は、自らが製品の開発に乗り出し、小さなブランドを作り出す動きを指します。

情報発信力あるブロガーがメーカーとコラボレーションを行って、オリジナルのバッグや化粧品、調理器具などを作り出す動きが、2000年代後半にも見られるようになり、日本でもプロシューマーの活躍が見られました。

インフルエンサーからコシューマーへ

プロシューマーのモノづくり、サービスづくりへの参画と同時に、インターネットとモバイルの世界では、ソーシャルメディアネットワーク(SNS)が普及します。より簡単に情報を投稿することができます。

情報発信の敷居が下がったことから、より手軽にSNSでの発信が可能となり、インフルエンサーが必ずしも「情報の作り手」や「商品の作り手」というわけではなくなっていきました。そのため、インフルエンサーは、確かに情報は発信しますが、SNS発展以前に存在していた「プロシューマー」とは異なる存在と言えます。

こうしたインフルエンサーの増加から、他のインフルエンサーとの差別化を試みたり、フォロワーと共により強い意見や、優れたアイデアを持つインフルエンサーが登場します。

例えば、ある企業の商品を、まったくターゲット外の人が利用し、ファンに情報発信をしている事例が登場し、企業の製品担当者が詳細なインタビューをすることがありました。

またSNSのキャンペーンにインフルエンサーを起用する際、逆にインフルエンサーからコンテンツや利用シーンの提案があり、コンテンツを企業とインフルエンサーが一緒に作り上げる事例。さらには、特定の色が大好きで人気のあるインフルエンサーに対して、メーカーがそのニーズに応え、一緒にキャンペーンを行う事例もありました。

インフルエンサーの中から、プロデュース力や、マーケティングの視点、あるいはクリエイティブな視点を持ち、製品やキャンペーン、あるいは戦略までを、企業と一緒に作り上げる存在が登場したのです。そして、そうして生まれた商品やクリエイティブは、企業にとって大きな利益をもたらすことになります。

企業は、インフルエンサーをメディアとしてではなく、「一緒に新しいものを創造するパートナー」として、コラボレーションしていく道を模索していくべき。インフルエンサー総研では、インフルエンサーがコシューマーとして進化する支援を行っています。