インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーと協業し、共創するマーケティング手法である、とインフルエンサー総研(RIIM)では定義しています。今後は「マーケティング」というキーワードが、持続的な共創活動そのものを指し示す世界を目指して、RIIMは活動しています。
そんなインフルエンサーマーケティングを行う際に、どのようなゴール設定を考えれば良いのでしょうか。また、そのゴールを目指す際に、どのような戦略立てをすれば良いのでしょうか。
マーケティング活動を行うには、明確な目標、ゴールの設定が必要となります。インフルエンサーマーケティングの場合、どんなことに注意しながら目標を設計していくのかを、よく考える必要があります。
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典型的な、インフルエンサーマーケティングのゴール設定
インフルエンサーマーケティングのゴールとして設定される例として、次の4つのようなものがあります。
1. ブランド認知の向上:
マーケティングにおけるブランド認知の向上とは、特定のブランドや企業に対する顧客や一般の人々の認識や理解度を高めることを指します。インフルエンサーとそのフォロワーを通じて、インターネットやSNS上に、ブランドに関する情報を増加させることによって、ブランドに発見・認知・理解を促進させ、またコンテンツを通じたブランドへの興味喚起を狙います。
2. ソーシャルメディアのフォローやエンゲージメント向上:
インフルエンサーがSNSで活動しているため、インフルエンサーマーケティングのゴールとしてSNSのフォロー数向上や、会話の増大などのエンゲージメント向上を設計することは、非常に初歩の取り組みとなります。
インフルエンサーは一定のフォロワー数を持っており、フォロワーはインフルエンサーが発信する情報に興味を持っています。そのため、インフルエンサーとのコラボレーションでコンテンツを投稿することで、フォロワーにブランドを伝え、興味を持ち、ブランドをフォローする傾向が高まります。
また、インフルエンサーを通じてブランドのSNSをフォローしてくれることで、ブランドのアカウントと消費者との間に会話を生み出すことができます。消費者との会話は、ブランドがよりパーソナライズされたメッセージとなり、関係性を深めることにつながります。
3. メール登録
もしECサイトなどを持っている場合は、メール登録を促すことで、SNSに加えてメールやECサイトと言う消費者との繋がりのチャネルを持つことができるようになります。メールを通じた新製品やセールの情報、SNSよりもより長いコンテンツの提供が可能になるほか、メールからECサイトに飛んで購入する際のコンバージョンの計測などが可能になります。
4. 紹介やコンバージョン
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーや作られたコンテンツを通じて、ブランドと共に商品やサービスの紹介を行う役割を担うことができます。インフルエンサーのコンテンツを通じて、ブランド自身の言葉ではなく、インフルエンサーに代弁・紹介される形で、フォロワーに商品が伝わることから、より客観的な情報を作り出すことができます。加えて、どれだけの人がウェブサイトやECサイトに来たか、またオンラインでの購入に結びついたか?を計測する個別のコードを発行することで、どんなインフルエンサーが、どんなコンテンツが、顧客の獲得につながったのか、分析することができるようになります。
この分析は、SNS以外におけるカスタマージャーニーや顧客体験の設計とフィードバックに役立ちます。
インフルエンサーマーケティングの位置付けを決める
インフルエンサーマーケティングによって達成を目指すゴールを設計するとともに、より大きな製品やサービス、ブランドのマーケティング目標に対して、インフルエンサーマーケティングがどのような貢献をするか、という位置付けを決めていく必要があります。
インフルエンサーが達成に貢献できる目標を決めます。インフルエンサーマーケティングが貢献できる代表的な位置付けは、以下の4つです。
- リーチと影響力の拡大
- 信頼と認知度の向上
- ターゲットやコンテンツ、顧客体験の探索
- ターゲットとのエンゲージメントの促進
特に重要なポイントは、3の「探索」です。マーケティングを行う際、顧客に関する仮説や既存のデータを活用します。その上で、仮説が正しいのか、あるいは仮説に合うコンテンツや顧客体験は何か?ということを、インフルエンサーやそのフォロワーとの対話を通じて、発見していくことを意味します。
この探索という位置付けをマーケティングの初期に置くことによって、マーケティング活動全体の方向性や仮説検証プロセスの第一歩に、インフルエンサーマーケティングを活用することができるようになります。