企業のマーケティングでは、UGCの活用がますます活発になっています。インターネットやSNSに情報が溢れる今、「商品を使ったときの体験や生活の変化」をリアルに伝えるUGCは、信頼性の高い情報源として注目を集めているのです。
今回は、UGCを活用した成功事例をXとInstagramそれぞれ分けてご紹介し、そのポイントについてわかりやすく解説します。
「実践的なUGC活用法を知りたい」とお考えのご担当者様は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
Contents
そもそもUGCとは?
UGCとは「User Generated Content」の略で、ユーザーが作成・発信したコンテンツのことを言います。
具体例としては、SNSに投稿された写真や動画、ECサイトのレビューなど、ユーザーが自ら提供した情報が該当します。つまり、UGCは「生活者のリアルな声」とも言えるでしょう。
近年では、「ググるからタグるへ」という言葉が示すように、ユーザーが情報を検索する手段としてSNSのハッシュタグ検索が普及する中で、企業のマーケティング活動においてもUGCの重要性がますます高まっています。
UGCを活用するメリット
企業がマーケティングにUGCを活用する主なメリットは3つあります。
- 親しみや信頼を感じさせ、購入意欲を高める
- クリエイティブの量と質を確保できる
- 商品開発や施策の改善に役立つヒントを得られる
以下に詳しく解説をしていきます。
親しみや信頼を感じさせ、購入意欲を高める
消費者はさまざまな情報をもとに購買の意思決定を行っています。
その際、企業が自社の商品を強くアピールしても、消費者にはあまり響かないことが多いですが、UGCは客観的な情報として説得力が高く、信頼されやすいといった特徴があります。
また、UGCは実際の消費者の声であるため、商品やサービスの使用イメージが具体的に伝わりやすく、親しみを感じてもらいやすくなります。
クリエイティブの量と質を確保できる
毎日インターネットやSNSに投稿されるUGCの中には、商品やサービスの検討に必要な情報を満たす優れたコンテンツがたくさんあります。
多様化するマーケティングの中で、効果的なクリエイティブの確保は非常に重要な課題ですが、このUGCを活用することで、制作にかかる時間やコストを削減できるだけでなく、消費者目線で質の高いクリエイティブを手に入れることができます。
商品開発や施策の改善に役立つヒントを得られる
UGCは、消費者による「リアルな体験談」であり、実際に商品やサービスを利用したからこそ気づける改善点や要望が含まれています。
これらの声は、企業にとって新たな商品開発や既存商品の改良、マーケティング施策の見直しなどのヒントを提供する貴重な情報源となります。
たとえば、UGCからは
- 製品の使い勝手
- 機能性の改善要望
- 消費者が特に喜んだ機能
- 予想外の使用方法
などのフィードバックが得られるため、企業はこれらの意見を吸収し、実際のニーズに基づいた施策を打ち出すことができます。こうした消費者の生の声を反映させることで、より多くの顧客満足度を高め、リピーターを増やす効果も期待できるのです。
UGCの基礎について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
UGC生成を促す方法
UGCを活用するマーケティングでは、ユーザーが自発的にコンテンツを投稿したくなるような働きかけが重要です。UGCの事例をご紹介する前に、本項ではUGCの生成を促する3つの方法ついてご紹介していきます。
- 方法1:SNSハッシュタグキャンペーンの実施
- 方法2:ユーザーとのコミュニケーションを強化する
- 方法3:インフルエンサーを活用する
詳しく解説をしていきます。
方法1:SNSハッシュタグキャンペーンの実施
UGCの生成を促す方法として、SNSの「ハッシュタグ」機能を活用し、オリジナルのハッシュタグを設定してユーザーにそのタグで投稿してもらうキャンペーンが効果的です。
実際にこのようなキャンペーンを見かけた方も多いのではないでしょうか?
指定のハッシュタグを使った投稿に対してクーポンやプレゼントを提供することで、ユーザーの積極的な参加を促します。ハッシュタグが形成するコミュニティは、ユーザーの企業への愛着を育むとともに、ブランドの認知度向上や集客力の増加にも寄与します。
キャンペーン期間外でもハッシュタグの使用を促すことで、UGCが継続的に生成されやすくなります。
方法2:ユーザーとのコミュニケーションを強化する
SNSやカスタマーサポートなどを通じてユーザーと密にコミュニケーションを取り、信頼感と愛着を築くことがUGCの生成につながります。顧客が自発的に「この企業の商品ならレビューしたい」と思えるようにすることが大切です。
そのためには、ユーザーからの問い合わせには迅速に対応し、SNSでの反応にも積極的に関わるようにしましょう。
また、日常的に情報発信を行い、自社がどのようなUGCを求めているかを伝えることも効果的です。
企業がUGCの生成に直接関与することはできませんが、これらの取り組みをすることで、ユーザーが自発的にUGCを作成するよう促す流れを作ることができるのです。
方法3:インフルエンサーを活用する
インフルエンサーの力を借りることでUGCを促進する方法もあります。
影響力のあるインフルエンサーに自社の商品やサービスを利用してもらい、その感想をSNSやメディアで発信してもらうことで、広範囲なユーザーに認知を広げることができます。
インフルエンサーによるコンテンツの例としては、以下のようなものがあります。
- 商品と共に撮影された写真
- 商品レビューの動画
- 使用感を伝えるレポート漫画
- インフルエンサーとのコラボによるプレゼントキャンペーン
また、インフルエンサーのフォロワーが実際に商品を試し、UGCを生成する環境を作ることもできます。
インフルエンサーを選定する際には、自社の商品やサービスに関連性が高い人材を選ぶことを心がけましょう。例えば、コスメ関連の商品の場合は美容系のインフルエンサーとのタイアップが効果的です。
UGCの事例紹介8選【X編】
本項では、XでのUGC事例をご紹介していきます。
Xでは、一指定のハッシュタグをつけてコメントする応募方法が主流です。応募条件や問いかけ内容を考えし、ユーザーがポストしたくなるようなキャンペーンにすることがポイントです。是非、以下でご紹介する企業の取り組みを参考にしてみてくださいね。
レゴジャパン
https://x.com/LEGO_Group_JP/status/1550314700138840064
レゴジャパンの公式Xでは、ミニフィギュアのプロモーションとして、ハッシュタグ投稿キャンペーンを実施しています。
このキャンペーンでは、ミニフィギュアを使った楽しい写真を募集し、指定のハッシュタグをつけて投稿すると、抽選で豪華賞品が当たるといった仕組みです。
ハッシュタグを通じて、ミニフィギュアを使ったユニークな写真が多数投稿され、コミュニティの形成やブランドロイヤリティの向上、さらには認知度の拡大にもつながっています。
このように、レゴジャパンの公式Xでは、定期的にレゴブロック作品の写真を募集するキャンペーンを行い、UGCを効果的に収集しています。
オロナミンC
https://x.com/oronaminc_drink/status/1819176288684310649
オロナミンCドリンクの公式Xカウントでは、敬老の日を記念して「#家族みんなに元気ハツラツ」および「#敬老の日」のハッシュタグを使った広告キャンペーンを実施していました。
このキャンペーンでは、おじいちゃんやおばあちゃんとのオロナミンCにまつわるエピソードを投稿することで、抽選でオロナミンCが当たるチャンスが得られるといった仕組みです。
レゴジャパン同様にユーザー参加型の楽しい取り組みを展開することで、多くの応募者を集めた成功事例となっています。
サントリーホールディングス株式会社 BAR Pomum
https://x.com/suntory/status/1712294516495929487
サントリーホールディングス株式会社は、『BAR Pomum(バー・ポームム)』の新フレーバー“白葡萄とモヒート”の発売を記念し、公式Xでインスタントウィンキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンは、その場で抽選結果が分かる仕組みで、サントリーの公式アカウント(@suntory)をフォローし、投稿をリポストすることで、BAR Pomum 350ml缶 1缶の無料引換えクーポンが当たるチャンスがあります。
2023年10月10日の新フレーバー発売と定番4種のリニューアルに合わせてスタートした『#バーポームム新フレーバー発売キャンペーン』は、10月12日から開始され、新商品の認知度向上とリピーターの獲得を狙っています。
このキャンペーンの手軽さが功を奏し、投稿には1.2万件の「いいね」、リポストは10万件を超える結果になりました。
さらには、『#バーポームム新フレーバー発売キャンペーン』のハッシュタグで検索すると、「当選しました~!」「当たったので引き換えてきました!」といった当選報告や、「良い香り&自然な甘さで飲みやすい〜〜!」「香りも味も大満足です」などの商品のレビューが多数投稿されています。
こうしたUGCにより、参加者がSNSで商品体験を共有することで、そのフォロワーも興味を持ち、キャンペーンへの参加や商品購入意欲が高まるのでしょう。
森永チョコレート
https://x.com/MorinagaChoco/status/1155583707358433280
森永チョコレートは、かつて人気を誇った商品「焼きチョコベイク」が苦戦を強いられている状況を逆手に取り、「ベイクを買わない理由をAmazonギフト券100円で買い取る」というユーモア満載のキャンペーンを展開しました。
このキャンペーンでは、Xの公式アカウントをフォローし、「ベイクを買わない理由」を書き込んでコメント付きリポストをすることで、Amazonギフト券100円分をもらえる仕組みです。
結果としては、わずか2日間で「50,000件以上の応募」が集まり、予算が尽きてしまったという理由で応募は早期終了。大きな話題となりました。
また、「ベイク」を生き物に見立て、「店頭から姿を消し野生化した」という設定のキャンペーンサイトも制作し、Xで目撃情報を募集して、多くのIGCを創出しました。
森永製菓マーケティング本部の藤井さんは“自虐キャンペーン”を始めた理由を「今回のキャンペーンでは、リサーチだけでは得られない生の声を集めたいと考えた」と語っており、このUGCにより、森永チョコレートは「焼きチョコベイク」が売れない理由を生の声で知ることができました。
株式会社タニタ
https://x.com/TANITAofficial/status/1829664664005067264
大手精密機器メーカーの株式会社タニタは、Xでのユニークな運用が話題となっており、ユーザーのみならず、他の企業アカウントとも積極的に交流することで、多くのファンを獲得しています。
手法としては、タニタのアカウント運用担当者がSNSの「中の人」として日々投稿を行い、一般ユーザーや他企業へのリプライ対応を通じて人間味のあるコミュニケーションを見せることで、親近感が生まれ、好印象を与えています。
このような個別のユーザーとの対話を通じて、ファンコミュニティが形成されることによって、ユーザーは自然と自身の経験や意見をUGCとして発信したくなります。その結果、企業の信頼性向上にも繋がっています。
さらに、タニタはXの「スペース」を活用し、リアルタイムでユーザーと交流する場を設けています。このスペースでは、投稿の意図や裏話の共有をはじめ、運用担当者の「好きなアーティスト」や「好きな映画」など、プライベートな質問にも答えることで、ユーザーに企業を身近に感じてもらう工夫をしています。
実際、『#タニタスペース』で「初めて聞いてみたけどなんか新鮮!」「タニタさんのスペース、楽しい!」といったUGCも多く生まれています。
カゴメ株式会社
https://x.com/KAGOME_JP/status/1549227530678177792
食料品メーカーのカゴメ株式会社もXの公式アカウントで、2022年7月からUGCキャンペーンを実施しています。
キャンペーン参加条件の一つは、ピザトーストのデコレーション画像を投稿すること。ハッシュタグ「#デコピザアート展覧会」で検索すると、多くのかわいらしいピザトーストの投稿が見られます。
このようなSNSキャンペーンでは、ファンとの交流を深めたり、熱心なユーザーとつながることがとても大切です。テーマが難しいと参加が減少する可能性があるため、夏休みシーズンに手軽に作れるピザトーストを題材に選んだのは、良いアイデアだったと言えるでしょう。
江ノ島電鉄株式会社
https://x.com/Kawazu3051bic/status/1834008446934679912
神奈川県藤沢市を走る江ノ島電鉄株式会社、通称「江ノ電」のX公式アカウントでは、毎年9月1日の開業記念日に、ハッシュタグ「#江ノ電の日」や「#江ノ電」を使った投稿が地元のユーザーや江ノ電ファンから寄せられます。
大規模なプロモーションではありませんが、湘南の海を背景に走る電車やノスタルジックな風景写真など、ファンならではの投稿がたくさん見られます。
公式アカウントは、UGCをリポストすることで、他のユーザーも「自分も投稿してみよう」と思わせる運用をしています。Xで「江ノ電」と検索すると、公式アカウントの投稿数を上回るほど多くのベストショットが投稿されており、コンテンツとしての強化にも繋がっていることがわかります。
株式会社バイオフィリア
https://x.com/edamamekun_0728/status/1718883700597981192
株式会社バイオフィリアは、獣医師監修の手づくりドッグフード『CoCoGourmet(以下:ココグルメ)』を開発・販売しています。JR渋谷駅ハチ公口には、「忠犬も待てないココグルメ」というコンセプトで屋外広告を掲出し、その美味しさと食欲を引き立てるワンちゃんたちの姿で訴求しています。
エサに向かって疾走するワンちゃんの姿がブレるほどのスピードから、「食べたい!」「待ちきれない!」というリアルな喜びが伝わり、そのインパクトあるビジュアルが通行人の目を引いています。
また、「忠犬も待てない」というフレーズは、渋谷の「忠犬ハチ公」にかけたユーモアが評価され、「うまい広告!」「食べたい気持ちが伝わっておもしろい」といったUGCが多く投稿されました。
さらに、広告には「待てない犬」代表の“豆柴えだまめくん”のほか、全国の「ココグルメ」ユーザーの中から抽選で選ばれた42頭のワンちゃんも登場。
掲載されたワンちゃんの飼い主たちが「うちの子が掲載されました!」「広告を見に行ってきました!」と、実際に渋谷の広告スポットを訪れて写真を投稿するUGCが発生し、その投稿が他の愛犬家にも広がりを見せた成功事例となっています。
UGCの事例紹介12選【Instagram編】
本項では、InstagramでのUGC事例をご紹介していきます。
Instagramでは、指定のハッシュタグを付けてテーマに沿った画像を投稿してもらうキャンペーンが一般的です。事前に投稿画像の使用許可を取得し、公式アカウントや公式サイトでその画像を紹介することで、ユーザーが楽しんでいる様子を効果的に伝える展開がよく見られます。
以下に事例を複数ご紹介していきます。
ポッカレモン
ポッカレモンのInstagramでのUGC活用事例をご紹介します。
https://www.instagram.com/p/CRVEJ3ZpUEu/
ポッカレモン100を使った料理、ドリンク、スイーツの写真を「@pokkasapporo」と「#わたしのポッカレモン」のタグをつけて投稿すると、抽選で40名にレモン商品の詰め合わせが当たるという内容です。
このキャンペーンはInstagramだけでなく、Xでも同時開催され、投稿された写真などはキャンペーンページに掲載されました。
投稿されたUGCには、ポッカレモン100の一般的な使い方に加え、独創的なアイデア料理も多く紹介されており、参加者だけでなく、他のユーザーにとってもポッカレモンの新たな活用法を知る良い機会となりました。
キヤノン株式会社
https://www.instagram.com/canon_eosm/
キヤノン株式会社は、ユーザーが同社のカメラで撮影した写真をリポストし、公式アカウントで紹介しています。専用のハッシュタグを設けてUGCを随時募集し、色味や写真のスタイルを統一することで、独自の世界観を表現しながらブランディングを行っています。
キヤノンの投稿で特徴的なのは、旅行や特別なイベントの写真だけでなく、日常のさりげない瞬間を切り取った写真が多い点です。
これにより、カメラを使うすべてのユーザーが気軽に写真を投稿できる環境を作り出し、より多くのUGCを集めることに成功しています。
株式会社KADOKAWA
https://www.instagram.com/kadokawa_ehon/
株式会社KADOKAWAは、さまざまな本を出版する企業ですが、絵本に特化したInstagramアカウントを運用し、UGCを積極的に活用しています。
このアカウントでは、子育て世代に喜ばれる絵本や親子のエピソードを投稿している点が特徴です。
また、赤ちゃんや子どものアンバサダーを起用したかわいらしい投稿も人気を集めています。本自体をメインにするのではなく、子育て世代をターゲットにしたアカウント運用を行うことで、UGCの収集に成功しています。
キリン
https://www.instagram.com/kirin_beverage/?hl=ja
大手飲料メーカーのキリンでは、Instagramアカウントの運用にUGCを活用し、成功をしています。アカウント運用初期には、高品質なコンテンツを安定的に提供するためのリソース確保に課題がありましたが、UGCマーケティングに特化したプラットフォームを導入し、Instagram上でキリン製品に関連する写真や画像を収集することで、日常的な投稿に利用することにしました。
これにより、ユーザー目線で親しみやすいコンテンツを提供しつつ、コンテンツの量と質を確保できています。
UGCの活用によって、投稿素材を集める手間を大幅に削減できたため、月に3〜4本だった投稿数が6〜7本に増加。また、UGCを使用した投稿のエンゲージメントは、社内で用意したコンテンツよりも平均135%向上しました。
この事例は、工数削減とエンゲージメント向上を同時に実現した成功例といえます。
GoPro
https://www.instagram.com/goprojp/
GoProの日本アカウントは、ハッシュタグ「#GoProのある生活」で知られ、ウェアラブルカメラメーカーとして常に高品質な動画を作成しています。
GoProは新商品の発売やイベント時に、ハッシュタグを用いたキャンペーンを頻繁に開催しています。このキャンペーンでは、指定されたハッシュタグをつけて投稿された中から優秀なコンテンツをコンテスト形式で選び、選ばれたユーザーにはリワードを提供します。
この仕組みにより、ユーザーはハッシュタグを使って多くの投稿を行い、企業はその投稿を紹介することでキャンペーンの注目を集めることができます。GoProの製品特性を活かした質の高いUGC施策の一例ですね。
さらに、GoProのユーザーが撮影したフォトジェニックな写真を定期的に紹介する施策も行っています。これにより、GoPro関連のハッシュタグはユーザーにとって使いやすく、有名なものとなり、UGCの効率的な収集が可能になりました。
このような施策を通じて、ハッシュタグを使うユーザーが増え、企業のアカウントのフィードも充実し、双方にメリットがある効果的な戦略となっています。
LIST
https://www.instagram.com/list.official/
女性のライフスタイルやおすすめアイテムを紹介する「LIST」では、UGCを最大限に活用したマーケティング施策でユーザー獲得に成功しています。
LISTでは、ハッシュタグ「#list_beauty」や「#list_official」を使用してUGCを収集し、その中でも特にアイテムの配置写真を積極的にリポストしています。これにより、美意識の高いユーザーが使用する美容アイテムやポーチなどの紹介に力を入れているのがポイントです。
また、サンプルとして示されるような構図やレイアウトの写真をリポストすることで、そのスタイルがブランドのアイコン的存在となり、ユーザーに広く受け入れられる基盤にもなっています。
さらに、LISTではリポストするUGCの種類やスタイルについても、ストーリーなどを使いユーザーからのフィードバックを元に修正や調整を行っています。
これにより、単にマーケティング指標やKPIに合わせてリポストするのではなく、ユーザーの興味を最優先にしたUGC活用を実現。結果として、本当に参考になるコンテンツが提供され、ユーザーの獲得につながっています。
グローバルWi-Fi
https://www.instagram.com/globalwifi_official/
続いて旅行関連の「グローバルWi-fi」公式企業アカウントの紹介をしていきます。
スマートフォンでの情報収集が当たり前となった今、海外旅行に欠かせないグローバルWi-fiの公式アカウントでは、各観光地のストーリーをハイライトにまとめ、この中に@globalwifi_official のメンションが付いた投稿を入れていっています。
これにより、特定の観光地への旅行を計画している人々にとって参考になる情報を見ることができるようになりました。
自社で全ての観光地を訪れ、その都市ごとに観光情報を発信するには膨大なコストがかかるため、このようにUGCを活用することは、費用対効果の面でも非常に効率的な施策と言えます。
さらに、グローバルWi-fiでは、UGCを活用したリポストの際に必ずクーポンのリンクを添付し、新規ユーザーの獲得を図っています。
これにより、ユーザーが「Instagramを見ていてよかった」と感じるお得感を提供しながら、効果的なコンバージョンへとつながるのです。
こうしたコンバージョンまでのプロセスがしっかりと設計されたInstagram運用は、非常に参考になる優れたマーケティング戦略といえます。
Franc Franc
https://francfranc.com/blogs/coordinate/201223-coordinate
Franc Francの公式ECサイトでは、自社製品を使ったインテリアコーディネートのInstagram投稿を公開しています。
実際の生活空間での製品の使い方が見えることで、単品で製品を見るよりも購買意欲を高める効果があります。
投稿には、気になる商品ページへのリンクがすぐ下に写真と共に掲載されており、ユーザーは簡単に該当の商品を購入できます。
さらに、「お客様投稿」という見出しとともに投稿者のInstagram IDも明記しているため、UGCであることが一目でわかり、投稿者に対する好印象を与えています。
Franc FrancのこのUGC活用方法は、ECサイトを運営する企業が参考にしたい成功事例と言えるでしょう。
スノーピーク
アウトドア用品を専門に扱うスノーピークのECサイトでは、UGCを活用して新規顧客のコンバージョン率を高める取り組みを行っています。
レビュー記入時に「カスタムクエスチョン」を設け、投稿者のキャンプ歴や使用シーンなどを具体的に記載できるようにしており、これにより他のユーザーが自分の利用シーンをイメージしやすい商品ページを作り上げることに成功しています。
この工夫の結果、UGCを閲覧したユーザーのコンバージョン率は、閲覧しなかったユーザーと比較して2.7倍に向上したそうです。さらに、全体の約47%のユーザーがレビューを閲覧しており、売上の2割がUGC経由であることも明らかになっています。
UGCの販促力の高さが証明される結果となりました。
AGCテクノグラス株式会社 iwaki
https://igc.co.jp/shop/default.aspx
AGCテクノグラス株式会社の耐熱性ガラスを中心とした料理用品ブランド「iwaki」のオンラインショップでは、ハッシュタグ「#iwakiのある暮らし」をつけてInstagramに投稿された一般ユーザーのコンテンツをWebサイトで紹介しています。
これにより、投稿がWebサイトに掲載されることが一般ユーザーにとって特別な体験となり、ファン化を促進するUGC施策となっています。
また、Instagram公式アカウント(@iwaki_marche)では、耐熱ガラス製の器を使った盛り付け例などの投稿を行い、一般ユーザーの投稿(UGC)をリポストすることも取り入れた運用を展開しています。
株式会社銀座千疋屋
株式会社銀座千疋屋は、老舗の果物専門店であり、フルーツパーラーではスイーツも提供しています。伝統的な店舗営業だけでなく、カタログ販売やオンラインストア、SNSの活用など、積極的に新しい施策を展開しています。
銀座千疋屋は20代・30代の認知度向上と購入機会の創出を目指し、Instagramを中心としたSNSマーケティングを実施。ECサイトへのSNS経由の流入が増えたことを受けてYOTPOを導入し、UGCマーケティングを本格化しました。
具体的な施策としては、レビュー収集とInstagramの画像収集が挙げられます。
YOTPO導入後、2年間でレビュー数はなんと約5倍に増加。さらに、UGCに触れた消費者のコンバージョン率は1.49倍高いという分析結果も得られたようです。
また、トップページに設置されたInstagramギャラリーの写真から商品ページへと誘導することで、商品購入や購入者レビューへのアクセスが増え、顧客体験の向上にもつなげることができたようです。
富澤商店
https://tomiz.com/contents/tomistagram_gallary
創業1919年の製菓材料専門店・富澤商店は、料理研究家監修のレシピやスタッフ考案のオリジナルレシピなど、3,500以上の専門的なコンテンツをInstagramやYouTubeで発信しています。
内容としては、映えるお菓子の写真や、真似したくなるギフトラッピングの方法などを積極的に紹介し、UGCの増加を図っています。
富澤商店では、これらのUGCをECサイト内の「みんなの#TOMIZフォト」に掲載。
投稿画像をクリックすると、使用している商品情報が表示され、購入ページに直接アクセスできるようになっています。この仕組みにより、UGC経由のコンバージョン率は全体の約3倍に向上しているといいます。
UGCは信頼性のあるユーザーの声を活用し、ブランドの魅力をより身近に感じてもらうための強力なツール
SNSの普及により、UGCは人々の購買行動において欠かせない情報源となり、無視できない存在になっています。
UGCには消費者の本音が反映されており、商品やサービスの信頼性を高めるためにも大切な役割を果たします。また、UGCをうまく活用することによって、マーケティングの課題を迅速に分析し、今後のプロモーション活動の改善にも役立てることができます。
これからのマーケティング戦略にUGCの活用を取り入れて、貴社のブランド価値をさらに高めてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、実際の成功事例を参考に、UGCの可能性を最大限に引き出すヒントを見つけてください。